2023年4月26日午前9時03分
我が子のように可愛がっていた猫が死んだ。
早朝に猫の異変に気が付いた夫に起こされた。
すっかり痩せ細った彼を胸元に抱き寄せて、しばらく眺めていたが、あまりにも穏やかで、こちらも夢うつつだった。
まるで我が子に寝ぼけながら乳をやる母の気持ちだ。
ふと気付いた時には、彼の小さな命の灯火は消えていた。
呆気なさすぎる最期だった。
この日は生憎の曇天だった。
遺体を片付けながら、せめて晴れてくれたらね、と夫がぼそっと呟いた。
灰色の空を眺めながら、死後硬直が始まった遺体を胸に抱いた瞬間、滝のように涙が溢れてきた。
冷たくなった猫を抱いておんおん泣いた。
小さいあたたかい毛むくじゃらの存在に、我々夫婦がどれほど救われてきたか。
悲しくて仕方がなくて、どうしようもなかった。
猫を業者にて火葬した後も、夫と抱き合って泣きじゃくった。
それほど大きな存在だった。
この日、東京には立派な虹が掛かったらしい。
彼は、虹の上をトコトコ歩いてお空に行ったのだろう。
君の人生は、幸せだったかい?
私達は君と暮らせて幸せだったよ。
