今日は精神医学がご専門の岩井寛氏が亡くなる直前に書かれた、「色と形の深層心理」をご紹介します。
題名:色と形の深層心理
著者:岩井 寛
出版社:日本放送出版協会
価格:¥870
発売日:1986年1月
対象:色彩心理学に興味のある方
難易度(5段階) :★★★★☆
評価(5段階):★★★★☆
内容:色と形にまつわる歴史・症例を解説
レビュー:
ある色を見ると突然狂気が襲う分裂病患者の症例や、絵画・建築様式に用いられる色や形について、どのような背景(社会or作者)があって、その絵画や建築が作られたか、具体例を基に解説されています。
精神医学の先生が書かれた本ですが、その割には分かりやすく抵抗無く読める本です。
校正を行うときには病気でほとんど目が見えなかったようです。それだけに、色や形の大切さについてじわじわと伝わってくるものがあり、一つ一つが重みを感じる内容です。
なお、NHKブックスの本ですので、図より文章が多い構成になっています。
(中川登紀子)