私の本棚
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私の本棚No.4 『約束の冬』

昨日、同じ作者の『にぎやかな天地』上、下巻を買って読み始めたところなんで、作者繋がり(?)って事で取り上げてみました。私は普通、本を読む(買う)ときには作家で読むのですが、この本は「空を飛ぶ蜘蛛を見たことがありますか?」と言う帯のフレーズに目がとまり、数ページを拾い読みして衝動的に買った本です(こう言うのを私は本が囁きかけてくるって呼んでいます(^^ゞ)。

移ろい易きものの代表のような、人の人に対する思いを、表題通り「約束」と言う言葉をキーワードにして紡いだような作品で、登場人物の真っ直ぐな視線、真っ直ぐな生き方が読後に爽やかな清々しさを感じさせてくれる本で、以来、彼の本が私の本棚に並ぶことになりました。

著者:宮本輝 /出版社:文藝春秋

私の本棚No.3 『吉里吉里人』

20代の前半までの私の読書は海外の古典文学が中心で、日本の、それも現代作家によるものはほとんど読んだ事がなかったのですが、日本の現代作家も捨てたもんじゃないなって気にさせてくれた作家のひとりがこの井上ひさし氏で、彼の作品の中でもこの「吉里吉里人」が私の大のお気に入りです。

彼の言葉に対する造詣の深さに加えて、中央集権に対するアンチテーゼとしての地方自治、地方のあり方や地方文化の捉え方など、軽妙洒脱な語り口の裏っ側(かわ)に文明批判、文化批評などが濃密にちりばめられた読み応えのある作品です。

「楽天ブックス」で検索してみると、今や文庫本でしか発行されておらず、新潮社から発行された初版のハードカバーが本の内容に相応しく重厚な装丁であっただけ余計に、薄っぺらな文庫サイズであるのが残念ではありますが、是非にと一読をお勧めしたい一冊です。

著者:井上ひさし /出版社:新潮社 /サイズ:文庫

私の本棚No.2 『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』

私が嘗て勤めていた病院を辞めた時に、当時副医長だった私の 友人のひとりが上下二巻とあわせて「The Watership Down/ Film Picture Book(これは多分国内では販売されていないと思います)」の3冊の本を餞別として贈ってくれました。

「餞別に本か?!」とは思ったのですが、安定した仕事を捨てて、自由と言う名の不自由(当時は、自由という言葉の響きに憧れたのですが今は自営業なんてそんなものと思っています)を求めて旅立とうとしている私に彼は「ヘイズル(主人公のウサギ)」を見たんだろうと思います。(^^ゞポリポリ

陳腐な表現をお許しいただけるなら、この本は何かを為さんとする時に勇気を与えてくれる、背中をトンと突いてくれるそんな本です。同時に、ウサギの視点で全てが語られる事で、物事の見方や捉え方の多面性を教えられ、兎角、一面的になりがちな自身のモノの見方をやんわりと窘められた気がします。


著者:リチャード・アダムズ/神宮輝夫  出版社:評論社

私の本棚No.1 『手と目と声と』

気の合った仲間達と酒を呑みながら本の話をしていた時に「人は何故、本を読むのだろう?」って事になって、散々言葉遊びをした挙げ句の結論は・・・「感動って言葉に集約されるんじゃないのかな」って所に行き着いた事があります。

この本には読書の原点とも言えるそうした感動が何の飾りも付けずに剥き出しの儘にあると言った意味でとても気に入っています。

「無人島に持って行く本」と言う表現がありますが、もしも、それを選べと言われれば、迷わずその一冊にこれを含めるのではないかって思いから一冊目に選んでみました。


著者: 灰谷健次郎/出版社:理論社

はじめまして!

書評と言った大袈裟なものではなく私がこれまで読んできた本を私なりの語り口でご紹介していこうと思っています。

その人の本棚に並ぶ本を見るとその人の為人や考え方が大凡だけど判るような気がすると私は常々思っています。
だから、そうした自分の読書傾向やどんな風にそれを読んだかを人様に公開するのはその意味で些か怖いのですが、どうせ多寡の知れた薄っぺらな人間ですよと、この際、開き直ることにします。

とは言え、一作目を何にするか・・・大いに迷いますね。(^^ゞポリポリ