水泳に復帰して、日常が忙しくなったが、体力と筋力?がついて疲労回復が早くなった。老人ホーム訪問は月1回に、老犬介護は相変わらずだけれど、一日何時間もその温かい体を抱きしめている。20歳と1か月。犬は不平も不満を言わずに老いていく・・・。

 

 


 

さて、若年性アルツハイマーの診断を受け二年の余命宣告を受けたエミル26歳男性が、旅のパートナーを掲示板サイトで募集する。親は、入院をして治験に参加することを勧めている。果たして、ジョアンヌ29歳女性から返信があり、二人は旅のパートナーとなって、キャンピングカーで旅にでる。

 

エミルには、時々ブラックアウトが起きる。記憶喪失である。幸いにもまだ元の世界に戻ることができる。上巻では、エミルの別れた恋人への未練がましい追想が多い。一方でジョアンヌの旅の目的が定かではない。明るいわけでも、快活というわけでもなく、暗い雰囲気をまとったジョアンヌ。ときどき一人で瞑想をしている。彼女に恋人か夫がいるらしい。しかし、ジョアンヌは男の元に帰ることを拒否している。そしてエミルも、病が重くなっても家族のもとに連れ戻されないように、決して入院させないことをジョアンヌに頼みこむ。二人の心情を繋ぐものが一つもないが、互いに家族の元に帰らないという共通点がある。

 

しかし、エミルの病は悪化する。医師の診察も入院の拒否も、ジョアンヌに後見人になってもらったとしても、出来ない事の方が多いとわかる。エミルとジョアンヌは結婚する。旅を続けるには、入院しないためにはエミルにはジョアンヌが必要だった。

 

下巻は、ジョアンヌの過去の出来事が明かされる。この物語の核心にどんどん近づいていく。幸せだったジョアンヌ。愛する父とそして夫との暮らしに、やがてたちこめる暗雲。父は娘のジョアンヌに何と言ったか・・・。

 

というわけで、ジョアンヌの悲劇的な過去の出来事のネタバレはやめておく。エミルは入院することなく人生を全うしたということだけは書いておきたい。ジョアンヌもエミルも旅をしながら、生と死に向き合い満たされた時間を過ごしたことになる。奇跡的な出会いと巡り合わせに、感動のコメントが多いけれど、若年性じゃないアルツハイマー予備軍たちが周りにうじゃうじゃいる私としては、物語として感動し、物語としての結末に納得してしまう。年を取るとひねくれ者になるのだ。それでもこうして書いていると、ちょっと胸が熱くなるのも事実だ。