妹が開けたドアの向こうには、ベッドで横たわり、ガーグルベースを口元に置いて苦痛な表情でえづいてるお母さんがいた、腕には点滴チューブ、胸の辺りからも何かのチューブがでていた、いつもなら自分の姿を見ればお兄ちゃんと声をかけてくれるが、何の声もかける事なくガーグルベースに向かいえづいていた、妹がお母さんにお兄ちゃんが来たよ、と背中をさすりながら言う、ガーグルベースを口元から離して、必死に落ち着いて体を起こし一言、二言自分に向って何か言う、何を言ってるのか分からない、言葉になってないけど、自分は頷くだけしかなかった、頬がこけて目が大きく深いシワだらけのお母さんを、もうすぐ会う事ができなくなるお母さんを受け取めるので精一杯で自分からは何の言葉もかけれなかった、妹がこれお兄ちゃんが買ってきてくれたんだよ、とカーネーションを台の上に置く、無言でカーネーションを見つめていた、少しするとまた横たわりガーグルベースを口元に置いて苦しそうにえづきだした、妹がイスに座って少しここにいればと言うが、自分は首を横に振る、母親が苦しんでる姿は見たくないし、見てられなかった、ここに居ても何もできない自分も嫌だった、じゃあ、握手して帰ろうかと妹が促す、お母さんと初めて握手する、手はむくんでたが温かかった、、、、
病院を出て車の中でラインを確認する、急変があるかもしれないと妹からラインがあった後、お母さんに無理しないでと送ったライン
既読だけがついていた、、、