バンクーバー冬季五輪は、改めて書くまでもなく、フィギュアスケート女子のフリーで、浅田真央(中京大)が銀メダルを手にしました。女子世界最高をマークした金妍児に負けたのは、残念であったけれども、今回の演技を見て、今後につながる演技の深化あるいは進化を浅田真央に見たように思います。
金妍児が、軽やかに難易度の高い演技をあたかも容易な技のように軽々とこなしていたのと対照的に、浅田真央は、トリプルアクセルのような高度なジャンプを決めたのも素晴らしいが、それ以上に荒削りながら、あの重厚というよりさらに重々しい曲に負けない大人の…というべきか従来の浅田真央のイメージを脱皮した演技を評価したいと思います。今回の演技で圧巻であったのは、ジャンプより後半のステップを交えた鬼気迫るスケーティングでした。身震いするほど素晴らしかった。
最初は、どこかで見たことがあるような、たとえば平成ガメラのイリスのような妖魔めいたポーズから始まります。
何ものかが目覚め、羽ばたく。
冒頭、トリプルアクセルが見事に成功…しかし、浅田真央は喜ばない。
次にトリプルアクセルからダブルトゥーループのコンビネーション、これも見事に成功。しかし、笑顔はもちろん、ガッツポーズも何もない。勢いに乗るという感じでもない。
何ものかが目覚め、羽ばたく。
冒頭、トリプルアクセルが見事に成功…しかし、浅田真央は喜ばない。
次にトリプルアクセルからダブルトゥーループのコンビネーション、これも見事に成功。しかし、笑顔はもちろん、ガッツポーズも何もない。勢いに乗るという感じでもない。
スパイラルやスピン…、荘厳な曲に、苦悩の表情…
オリンピック以前のこのプログラムでは、ジャンプの失敗など不十分なところが目に付いてしまって、印象が薄かったのですが、やはりこのプログラムは後半部分の重厚さを失わずに徐々に盛り上がっていくステップ、スピンが見せ場でしょう。今日の演技では、それを十分に堪能することができました。
こういう演技は、どちらかと言えば安藤美姫が目指しなかなか完成に至っていない領域だと考えますが、どうなんでしょう、今後、浅田真央が完成させるかもしれませんね。
安藤美姫も今回はミスなく無難にまとめた印象で良かったが、どこかあっさりして持ち味のエキセントリックな要素が不足していました。