「置かれた場所で咲きなさい」
今の水戸ホーリーホックの戦いぶりを見ていると、そんな言葉を思い出した。
J2リーグの中でも決して恵まれたクラブとは言えないかもしれない。豪華な補強があるわけでもないし、注目度も高くはない。
でも、だからこそなのか、選手たちは「今いる場所」で、自分自身の価値を証明するかのように、毎試合全力で戦っている。
たとえば渡邉新太。
アルビレックスや大分で苦労しながらも、水戸に来てようやく自分の居場所を見つけた。今季はもう9ゴール。数字だけじゃない。ピッチで見せる執念や走り、ゴールに向かう姿勢が、まさに“咲いている”という感じなのだ。
守備では板倉健太が安定感抜群のパフォーマンス。守備ポイントでリーグトップ。津久井匠海や、大学から来た若手がチャンスをつかみ、ゴールに絡み、サポーターの記憶に残るプレーをしている。
ベテランも若手も、それぞれが「今、このチーム、この瞬間」でできることを最大限にやっている。
そして気づけば、リーグ首位。
あれ?あの水戸が?と思う人もいるかもしれない。でもこれは偶然じゃない。
ひとりひとりが、自分の居場所で懸命に根を張り、水を吸い、太陽に向かって伸びた結果だと思う。
大きな舞台に行く前に、まず目の前の土に足をつけて咲くこと。
それがどれだけ尊く、力強いか。水戸ホーリーホックの選手たちは、そのことを今、教えてくれている。
「置かれた場所で咲きなさい」
この言葉が、いまいちばん似合うチームかもしれない。