そもそもパーキングとニュートラルは違っていた
がっつり噛み合って停止しているのと
ギアが解き放たれたフリー
つまりゼロ状態
パーキングは歯を食いしばらんばかりの力が働いていたのだ

新鮮は一瞬一瞬劣化を辿る
ザラザラと痛い胡瓜
ミルクの滴る無花果
もぎたてフレッシュな瑞々しさ

パラソル開くよに咲くサフィニア
いい香りにくすぐられ振り向けば
雨に打たれてクチナシ
純白の花びらこじ開けようと
一瞬を生きている

一瞬は瞬きしている間に過ぎ去る
手に入れたはずの新鮮は瞬く間に
過去の産物として朽ち果てる
干からびた遺跡のように

車ならキーを回して
あるいはボタンを押してエンジン止める
と、しばし椅子付きの箱
時にはベッドに早変わりすることも

人は息を止めても数秒ないし数分
眠っていてもエンジン掛かったまま
たまにクラクション鳴ったりしてね
呼吸停止は即ち肉体の死

一瞬一瞬新鮮な息して
血液の川は淀みなく流れ
皮膚ならば古い細胞剥がれ落ち
新鮮な細胞押し出す
一瞬一瞬生まれ変わるシステム
恐ろしく緻密なナマモノを生きている

ギアをパーキングにシフトしたままだと所謂空ぶかし
低く高く唸るエンジン音

パーキングから一旦ニュートラルに戻し、そして
まっさらな新陳代謝促して、一瞬
一瞬の新鮮をドライブしなくちゃ
行き先は勿論瑞々しい未来


2019・7・22作




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