私達が歌手を批評する場合、
第一にこうせねばならないという技術が出来ているかどうかの
確認をします。
声の方向とブレスです。
こういう技術がわからないのに判断するのはいけない事だし、
ましてや好き嫌いで判断するのはとても危険です。
昔は私も恥ずかしい間違いを色々やらかしました。
いつも思い出すのはホセ・カレラスの初日本公演の時、
「なんて汚い声なんだろう」と思い、
翌年来日した時はとてもよく聞こえて、
「うまくなったじゃない?」と思った事です。
今聞くと全く同じだし初来日の時もとてもいいです・・・
自分にとっては七不思議ですネ。
連れ合いも同じ様に思ったそうです。
変わったのはカレラスでなくて少し勉強して変わった私達の耳なのでしょう。
ライナ・カヴァイバンスカもそうです。
あまりにもみんなが美人だ美人だというのでちょっと嫉妬(?)の気持ちがあったのか、
全然いい声に聞こえませんでした。
今となっては恥ずかしい過去ですね。
両方の歌手に言えるのは決してブリリアントな声ではないという事です。
柔らかくてちょっとハスキーなくぐもった声です。
これはこの人たちの生まれつきの音色です。
それまでデル・モナコやディ・ステファノとか明るいイタリア声を聴いていた私達には、
わからなくて受け入れられない声だったのかもしれません。
好きか嫌いかと言ったらそりゃあ胸のすく様な明るいイタリア声がいいに決まってますが、
そんな事より今はプロとしてしつこい様ですがまず、
「(技術を)やってるかやってないか」であり、
それに音楽性があって演技もうまくてカリスマ性もあって、
願わくばちょっとハンサム?だったりして・・・
いやいやいいです・・・クマちゃんでも。
とにかくアルベロは凄いです。
アクートとアペルト(気味)の二丁拳銃を持った今までに聞いた事もない逸材です。
今に世界的になるでしょう。
ただイタリアでの評価は既に高いですが色々と裏事情があるみたいなので・・・
(音楽がわからない連中が多すぎると言った意味で)。
悪いけど日本で太刀打ち出来る人はいないと思いますよ。
一声バカ声を出せる人はいるとしても頭の中身では勝てないですね。
つくづく芸術と言うのは本当に難しいです・・・♪