アルベロ in リセウ | オペラ歌手くみバードの、ひたすらオペラな人生

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主催している「ありどおろ座」オペラ団の情報や合唱の練習など音楽家としての生活です。



ベッリーニの「夢遊病の娘」ってアリアは若いころ歌ってるし、
今まで何回も見た事があるけど正直面白いと思った事はない。
しかもこのテノールって私の中では印象が薄くてどんな歌うたってるか覚えてないんだけど(失礼!)、
今回バルセロナでフローレスとアルベロがダブルキャストというので絶対見るべし!と行って来た。
行って大正解!
結局最終的には・・・音楽を生かすも殺すも演奏者にかかっているんだなあって感じ。
初日のフローレスはキャリアもあるし何と言ってもスターだ。
2幕のアリア後の拍手はなかなか鳴り止まなくて再登場というのは久しぶりに見た。
しかし・・・
翌日のアルベロは比べようもないほど、
いや、他の誰とも比べようがないほど素晴らしかった。
「中間音はクラウスで高音はディ・ステファノ」とK氏曰く、
技術的に言うとブレスがとてつもなく良くて止めが強いから
恐ろしい声が後頭部から回って最速スピードで飛んでくる!

しかし意外にもフローレスの様にアリア後に再登場する拍手には恵まれなかったのだが、
リセウはデビューだったらしいし聴衆も未熟だから仕方がない事だ。
またフローレスはテノール歌手にはめずらしく王子の風貌だが、
アルベロはどう見ても熊ちゃんと言った感じなので、
声を聴くセンスのない人や中性的な男性が好きな女性には受け入れられないだろうな。

まあとにかく不思議なのは発声の技術をどこで習得したのかって事だ。
これは習わなくては絶対わからない事だし世界的にみても教える人は極少ないと思う。
どこかでチャンスがあったら是非聞いてみたいが、
結構気難しそうなので(テノールは舞台とは別人の様にほとんど気難しい)無理かもね。
また見に行っちゃおうっと。
何しろスペインて一番前で見られる超穴場なのよねー♡
その前に自分の勉強しなくちゃー(+_+)