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  前回のベストアルバム10選から早1年、思えば私がブログを書き始めるきっかけにもなった記事でした。なんだかんだ、好きなことは続けられるものですね。てことで2019年、今年を彩った私の好きな音楽を紹介していこうと思います。

 
例によって、順位は付け難いので、発売日順に紹介していこうと思います。
 
 
 
1. Sympa / King Gnu 1月16日発売
  2019年を化け物のような勢いで駆け抜けたKing Gnu。新年早々素晴らしいアルバムを出してくれました。もはや前年からその片鱗は見えていましたが、想像以上に彼らは躍進しましたね。まあ必然だったような気もしますが。
  音楽性が広すぎる。そしていずれもカッコよすぎる。ボーカルの常田曰く、売れる音楽を狙って書いてるらしいですが、売れ線を行きながらKing Gnuらしさを余すことなく出してるのが素晴らしい。バンドって売れるとどうしても保守しがちになるところが、彼らはそれを感じさせない。確実に自分たちのスタイルを貫いている事がKing Gnuの素晴らしさだと思う。
  今回のアルバムはかなりポップな要素が多いと感じる。聴きやすさはこれが理由かと。彼らの代表曲「Tokyo rendez-vous」のように聴く人を選ぶような曲はあまりない印象。それらも計算のうちなら本当にスゴい。
 
  曲もそうなのだが、彼らのメディア露出の積極さもかなり印象的だ。もう1人のボーカル井口のひょうきんなキャラは、SNSを中心に話題になり、さらにはANNのパーソナリティまでも務める。バンドとしては音楽番組ミュージックステーションに2度も出演、CMソングとしてタイアップしたり、確実に世間に名前を売っている。一般人が聴くような音楽界隈の中では異質な音楽性でありながら、一般的な知名度もかなり高い。メディアへの積極性も彼らの人気に拍車をかけているのか。
   ワンマンライブなどは即ソールドアウトするほどまでに人気になったKing Gnu。来年もすでにニューアルバムの発売が発表されており、これまた2020年ベストアルバムの礎になりそうな一枚になると予想される。名前の通り、もうすでにヌーの先頭を走る王になってる。
 
▶オススメの収録曲は「Slumberland」「Sorrows」「Bedtown
 
 
 
2. A Different Kind Of Human / AURORA 6月7日発売
  ノルウェー出身のシンガー、AURORA。去年ふとしたきっかけで知ったのですが、その壮大で美しい世界観にハマってしまった。まるで森の奥の祠で精霊が歌っているかのような、心が浄化されてゆくような音楽なのだ、宗教音楽ではない。なんというかシャーマン要素やケルト民謡の要素もあるのだろうか、北欧出身の彼女ならではの日本では見られないような音楽性と、それを体現するような彼女のヴィジュアルに惹かれた。
  11月には初の来日ライブを行い、日本のファンたちを魅了した。私も東京まで足を運んで見に行ってきました。
 一言で表すなら「神秘」だと思いますね。彼女の声、ヴィジュアル、楽曲、パフォーマンス、そのすべてが神の儀式のような大自然のやさしさのような世界観。ひとつの洋画を見ているような感覚になりました。アホなので歌詞はまったくわからないんだけど、そんなことどうでもいいくらい見とれていた。彼女のそのパフォーマンスは、彼女を神の使いにも精霊にも妖精にも変化させる。人間の原始的な魂を動かすような、そんなライブでした。あれは本当に人間だったのか・・・。
  山奥で静かに1人で聴きたい音楽です。瞑想したいときとか、精神統一したいときとか、どうぞ是非に。
 
▶オススメの収録曲は「Animal」「Dance on the moon」「Apple Tree
 
 
3. vivid / kiki vivi lily 6月26日発売
 キキビビちゃんの念願のフルアルバム!待ってました!SweetWilliamやSUKISHAなどのトラックメイカーたちとコラボをしていたので、いつかソロでアルバム出してくれと願っていた矢先これ!最高!
  キキビビちゃんの良さは、甘くてとろけそうな声とどこか懐かしさ感じさせるサウンド!その絶妙なマッチ具合がマジでgood。前前年に出したEP収録のLOVIN' YOUという曲はそれをまさに象徴するかのような曲。まずはこれを聴いて欲しい。そこからこのアルバムを聴いて、キキビビちゃんの真髄を味わって欲しい。
 
  9月に大阪で開催されたSpotify主催のイベント「Early Noise Party」にて私は初めてキキビビちゃんを見ました。なんと大阪初ライブということで!ソロでのもっと長尺のライブも見たいし、キキビビちゃんの加入しているユニットのPitch Odd Mansionも是非見たい。
 そして12月にはトラックメイカーのSUKISHAとのコラボアルバムも発売。そちらも最高なので必聴。
 
▶オススメの収録曲は「K.V.L.F」「80denier」「Asian Resort
 
 
4. 834.194 / サカナクション 6月19日発売
 いうまでもなく名盤決定ですね。サカナクションは何年経ってもサカナクション、しかも年々更新されゆくカッコ良さ。流石としか言いようがない。私が初めてサカナクションに触れた中2の頃から何も変わってない。
 前回のアルバムから6年ぶりのアルバムということで、期待値も相当なものでした。「新宝島」「多分、風」など、この6年間で発表された曲に加えて新曲も。クールな曲や静かな曲もある中、「陽炎」や「モス」など、ポップで盛り上がりやすい曲もあって、通して聴くとなんとも言えない充足感が味わえる。
 
 私事なんですが、感性が最も豊かな時期といわれる中学2年(14歳)のときにサカナクションを聴いた。人間の内面や心の機微を文学的な歌詞で描くサカナクションの音楽、それは長い年月が経った今でも、変わっていないなって思った。8年もあれば人間の内面も大きく変化したけど、自分の弱いところや脆いところを突いてくるようなサカナクションの音楽は本当に素敵だ。加えて、楽器を始めてからわかるようになった彼らの奏でる"音"も、私の音楽の聴き方を大きく変えた。
  
  そういえば今年の5月に大阪城ホールで行われたサカナクションのライブに行ったのですが、そのときはまだアルバム発売前。当然アルバム収録曲もやってくれたので、それも相まってアルバム発売が本当に待ち遠しかった。あのライブ会場で見た、「ワンダーランド」の演奏と炎が上がるド派手な演出は一生、忘れられないの。
 
➧おススメの収録曲は「陽炎」「ワンダーランド」「セプテンバー-札幌ver-
 
 
 
5.  LOLLIPOP SIXTEEN / SOLEIL 7月17日発売
 また私の好きな音楽が現れたな、と。ボーカルのそれいゆちゃんは16歳らしい。ホントに?歌いこなし方が少女のそれじゃないけど。でもどこかあどけない感じがたまらない。南波志帆の再来というか、異国情緒と少女の可憐さがマッチした曲ばかりでドツボですありがとうございます。
 
  基本的に可愛い感じの曲が好きで、かつちょっと異国感のあるノスタルジックな曲調が好みなので、もしかして作詞作曲陣がそういう人たちなのか?と思って見てみると「やはり!」という
感じ。
  1曲目の「ファズる心」、もうこの曲で虜になったのだが、作詞作曲「TWEEDEES」と見て腑に落ちた。TWEEDEES、私が昨年のベストアルバム10選にも選出したバンドで、元Cymbalsのベーシスト沖井礼二が率いる渋谷系テイストのバン
ドだ。どこか懐かしくも古臭くないという印象を受けたのはそういうことね。
  他にもフレネシ作詞作曲の「アナクロ少女」、のん作詞作曲の「トキメキ」に加え、往年の名曲「ハイスクールララバイ」のカバーなど、バラエティに富んだ曲が並ぶ。10代のフレッシュさと可愛さがたまらない。
 
▶オススメの収録曲は「ファズる心」「Red Baloon」「Lollipop sixteen
 
 
 
6. 潜潜話 / ずっと真夜中でいいのに。 10月30日発売
 個人的にずとまよは、2019年に現れたふたつの天才集団のうちの一つだと思ってます(もうひとつはKing Gnu)。フジロックにも出ちゃってるし、演奏テクニックもアホみたいに上手いし、曲名や歌詞も他の音楽とは一線を画していて、明らかに毛色が違うアーティストだと思う。
 初めて聴いた時は「あ、ボカロっぽいな」と思った。個人的な話になるが、ボーカロイド音楽というものをあまり好んで聴いてこなかったので、最初はずとまよの音楽に抵抗があって聴かず嫌いしていた。聴かなくてもわかるくらいボカロの雰囲気を醸し出していたから。
 ただ、今年の6月に発売されたずとまよの「今は今で誓いは笑みで-E.P」を聴いて印象がまるで変わった。1曲目に収録されている『勘冴えて悔しいわ』が、私のドツボだった。ゴリゴリのベースラインに跳ねるようなピアノ、ちょっと暗い曲調ながらも疾走感に溢れていて、確かに曲名や歌詞はボカロっぽいものの、それを逆手に取ったような感じ、とにかくめちゃくちゃ好きになった。そして今回出たアルバムももちろん好きになりました、してやられた。悔しいわ。
 
 メディア戦略もかなり好きだ。一切バンドメンバーの素性がわからない、そもそもバンドメンバーなのかも分からない。「顔が見れる!」と意気込んで視聴したフジロックの中継も、スクリーンの向こうにメンバーのシルエットが投影されるのみで、そのミステリアスさが強調されるだけだった。これだけ有名になってワンマンツアーも開催するほど人気になっているのに、顔を一切明かさない、徹底してミステリアスさを貫いているのが素晴らしい。さながらGReeeeNの再来だ。
 
 良くも悪くも耳に残る聴きやすい音楽だと思う。一度聴いたら離れないほど個性的なメロディは絶対聴き飽きない。今後のメディア露出や新曲などにも期待を込めて、☆5です。
 
➧おススメの収録曲は「脳裏上のクラッカー「ハゼ馳せる果てるまで」「こんなこと騒動
 
 
 
7.  SWEET! SWEET? SWEET! / POP ART TOWN 11月6日発売
POP ART TOWNを初めて知ったのはちょうど2年前の年末だった。彼らの代表曲「ノンフィクション」に一聴きで惚れたのがきっかけ。翌年は彼女らのライブを3回は見に行った。念願のフルアルバムだ。
 
   都会の夜の喧騒ときらびやかさをポップに表現するのが上手すぎる。いわゆるシティポップのようなちょっと気取った風でもなく、純粋に夜の楽しい一面を歌う彼女らの曲は嫌味がなくて聴きやすい。自然と踊り出してしまう。
  アルバム1曲目収録の「Sweet Night」、最初からフルスロットルで飛ばす。立て続けに「tulle」「熱帯ロマンス」と駆け抜けるようなアップチューンの並び。最後の曲にキラーチューンの「ノンフィクション」を持ってくるのがアツイ。
 
  「SWEET」って単語、甘いとか可愛いって意味しか知らなかったんだけど、調べてみると「彼女」とか「麻薬」という意味合いもあるらしい。アルバム名のSweet、3つとも違う意味だったら面白いなって思います。夜に跳ねる甘くて可愛い女の子の曲、麻薬のような中毒性、素晴らしい。
 
▶オススメの収録曲は「tulle」「熱帯ロマンス
 
 
 
8. 並む踊り/崎山蒼志 10月30日発売
  ずとまよと同じ日にヤバいアルバムが出ていた。「並(な)む」っていうのは古語で「並ぶ」の意らしい。崎山蒼志くんめちゃくちゃデカくなったけど、確かバナナマンかなんかのテレビで出たのが最初のバズりだったっけ、五月雨歌ってたよね。まさかこんなに大物になるとは思わなかった。いや才能の塊みたいな子だから当然だけど、スピードがね。
  
  予想だにしないコラボが実現している。ヤバイトラックメイカーの長谷川白紙にヤバイシンガーソングライターの君島大空、どこで崎山くんと繋がったのかわからないけど、癖まみれの双方が上手いこと溶け合っているのがスゴい。崎山くんの声スゴい。
 
  崎山蒼志くんは今17歳らしいが、今年は10代の音楽家の躍進が素晴らしい。崎山くんをはじめ、さなり、Mega Shinnosuke、SASUKE、Vaundyとか。特に今年は多かったような気がするが、自分より年下の人達がこんなに才能を発揮しているのを見るとなんか感動しちゃいますね。バナナマンもビックリしてるでしょう。
 
➧おススメの収録曲は「潜水 with君島大空」「感丘 with長谷川白紙」「Video of Travel
 
 
と、
ここで、もうすぐランクインのコーナー!惜しくもランキング圏外となってしまいましたが、是非紹介しておきたいアルバムをいくつか発表します。
 
1. Dos City / Dos Monos - 3月20日発売
  
  マジでぜひ紹介しておきたかったので。アンダーグラウンドからヤバめのラッパーグループが出てきました。
  遡ること1年前、京都にて開催された音楽フェス「ボロフェスタ」でお初目にかかりました。そのときのなんとも言えないヤバさを今でも覚えているのですが、今年は念願のフルアルバムを出してくれました。
  ドープを具現化したような音楽、変な心地よいトリップに陥るので聴いてみてください。
 
 
2. The Secret Life of VIDEOTAPEMUSIC / VIDEOTAPEMUSIC - 7月24日発売
  なんというか、もう名前からしてイイんだよね、ビデオテープミュージック。その名の通り、ちょっと古臭いようなローファイな感じの曲を作るトラックメイカー。名前に惹かれて聴き始めたのがキッカケだったが、折坂悠太とのコラボ曲など、トラックメイカー特有のコラボ祭りが良すぎたね。
  歌モノのアルバムを出すのは今回が初みたいで、前回のアルバムは全編インスト曲だった。インストも雰囲気が出ていてよかったが、そこに歌詞を加えるとなんとも哀愁漂う曲になる。
 
3. LOVE ME / 西恵利香 - 10月2日発売
かっけぇサウンド。エレクトロニカとR&Bの高次元な融合も、豪華なプロデュース陣だからこそ成せるものでしょう。2019年是非聴いておくべき女性シンガー。
 
 
本題に戻る。
 
9. 視力検査/ゲシュタルト乙女 12月4日発売
 台湾出身の4人組ロックバンドらしい。台湾のエッセンスを含んだ音楽なのか、めちゃくちゃ耳馴染みがよくて聴きやすい。スゴい良い。
  ゲシュタルト乙女というバンド名ですでに惹かれるのだが、視力検査というアルバム名も素敵だ。日常用語により近い言葉を使うことで、逆にミステリアスさが出ている。現に何がどう視力検査なのか一切わからないからだ。
 
  台湾出身というのに日本語で音楽をしているのも新鮮。俗に言うマンドポップっていうやつは、台湾語(?)で台湾っぽい音楽をやっている。バンド名も台湾表記(?)なバンドが多い中、ゲシュタルトに乙女というワードの組み合わせ、センスが台湾まぜそばのごとく調和している。新感覚の音楽です是非。
 
➧おススメの収録曲は「EEヨ」「fog」「I script
 
 
 
10. playlist/私立恵比寿中学 12月18日発売   
 
10枚めはこのアルバムにかなり前から内定していたのは秘め事。今回のエビ中のアルバムは期待度めちゃくちゃ高かったけど、余裕でその期待を超えた。着実に洗練されて行っている。
  エビ中のアルバムについての個人的な見所は、毎回「楽曲提供陣の豪華さ」だ。多種多様なジャンルのアーティストの曲を、個性豊かな6人のアイドルが歌うことで、その良さがめちゃくちゃ引き出される。1曲目の「ちがうの」はビッケブランカが手掛けている。曲ごとにメンバーの表現が変わるところがエビ中の強さ。2曲目の「SHAKE! SHAKE!」はポルカドットスティングレイが手掛けており、カッティングの聴いたロックサウンド。1曲目と対極にあるような曲だが、むしろ本家より上手く歌ってねぇ・・・?となる。私が特に好きなのは、iriが手掛けた5曲目の「I`ll be here」。iriサウンドもエビ中にかかればお手の物。
 
 このアルバムが発売されるまでの間、アルバム公式サイトにてエビ中各メンバーの作ったプレイリストが紹介されていた。プレイリストごとにテーマがあり、メンバーの個性や趣味が垣間見える企画だった。6人それぞれ個性を放つ私立恵比寿中学だからこそ、良さがあった。今回のアルバム名もそのまま「playlist」。1曲ごとに雰囲気が変わる、素敵なプレイリストのようなアルバム。「アイドル」という概念や偏見を取り払って、是非聴いてほしいアルバムだ。
 
➧おススメの収録曲は「ちがうの」「シングルTONEでお願い」「オメカシ・フィーバー
 
 
 いかがでしたでしょうか。あくまで私個人の選出ですので、他にも素晴らしい音楽はいっぱいあります。参考程度にあなたの音楽ライフを少しでも彩ってくれたらなぁ、と思います。

1. Sympa/King Gnu
2.A Different Kind of Human/AURORA
3.vivid/kiki vivi lily
4.834.194/サカナクション
5.LOLLIPOP SIXTEEN/SOLEIL
6.潜潜話/ずっと真夜中でいいのに
7.SWEET!SWEET?SWEET!/POP ART TOWN
8.並む踊り/崎山蒼志
9.視力検査/ゲシュタルト乙女
10.playlist/私立恵比寿中学