第1章:オリオン戦争のこと──ザイオンから聞いた話。
これ話を信じるか信じないかは、あなたとあなたの宇宙船しだいです。🛸
昔々、銀河がまだ若かったころ
【オリオンの黎明期】
〜分かち合いの星々が輝いていた時代〜
遥か昔、オリオン座のあたりに点在していた星たちは、
まだ「戦う」という概念を知らなかった。
リゲルもベテルギウスも、
お互いを“違う美しさ”として見ていた。
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リゲル:幾何学的な美、構造、明晰さ、秩序のアート
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ベテルギウス:音楽のような光、色と感情の揺らぎ、夢見るチューニング
このふたつの文明は、まるで“陰陽”だった。
どちらかが欠けても、宇宙の対話は成立しなかった。
“秩序と自由のハーモニー”
それが、最初のオリオンだった。
共に技術を共有し、
瞑想とテレパシーで星々をつなぎ、
“記憶の水晶”に銀河の知恵を蓄えていた。
星間の会議では、歌で議題が読み上げられ、
回答は光のパルスで返された。
争いは、“まだ概念として知られていなかった”。
では、なぜ崩れたのか?
“秩序”を愛していた側が、
「これが正解だ」という回路に傾き始めた。
最初は、「守るため」だった。
「効率よく分かり合うには、ルールが要る」と思った。
でも、ルールが先に立った瞬間、自由が“エラー”扱いされた。
自由な振動(ベテルギウス側)の中には、
未成熟さや感情的な揺れもあった。
それが、“混乱”と解釈され始めた。
そして、“混乱”を消そうとしたとき――
“恐れ”が初めて、オリオンに降りた。
「間違いを正す」という名目で、共鳴を断ち切る装置が生まれた。
それが、最初の断絶。