世界最大級かつ最高峰の美術の殿堂「ルーヴル美術館」。フランスにおける芸術は「建築」「彫刻」「絵画」「音楽」「文学(詩)」「演劇」「映画」「メディア芸術」の8つとされる中、今新たに「バンド・デシネ」が「第9の芸術」と呼ばれはじめている。その魅力を伝えるため、16人の作家が「漫画」でルーヴル美術館を表現した。
知らなかったのだが、「バンド・デシネ」とはフランスやベルギーなどで古くから独自に発展してきた漫画文化らしい。絵とことばが描かれたコマをつなげて物語をつくっていくのは日本の「漫画」やアメリカの「コミック」と同じようだが、発展してきた背景が違うと社会の位置づけも違うようだ。
娯楽として親しまれる「漫画」に対して、「バンド・デシネ」は芸術として親しまれ発展してきた。高品質な紙、全ページフルカラー、画面構成の単位も1コマが鑑賞の単位となっていて、まるで絵画のように複雑で技巧に富んだ作品が多い。日本人の参加作家たちも「贅沢」と驚く程。
今回の企画では、16人16様の着眼点が面白かった。ひとつのテーマで様々な作家が漫画を描くなんて普通なかなか無い。ルーヴル美術館の奥深さと、作家たちのオリジナリティに感心させられた。
特に、荒木飛呂彦氏のオマージュが素敵。コマの背景に美術館内の作品が描かれているだけでは飽き足らず、登場人物に彫刻や絵画のモデルと同じポーズをとらせていた。キャラクターのポージングが独特な彼らしい。昔何かの本に西洋彫刻の美しいポージングを研究したと書かれていたのを思い出した。「バンド・デシネ」を芸術として捉えるものの「漫画」のエンターテイメント性は無くしたくないという言葉が印象的だった。遊び心溢れる独創的な「バンド・デシネ」を鑑賞した。
