社会学者であり、フェミニストである上野千鶴子さんが、結婚、入籍していたとの報道があった。
(週間文春)
「おひとりさまの老後」の著書は、人気を博し、私達老いの入り口に立つ者や真っ最中の高齢者に 希望の種を蒔いた(たぶん)
最初からおひとりさまにせよ、後におひとりさまになったにせよ、恐れていた「孤独死」の概念を吹っ飛ばしてくれた。
おひとりさまで、何が悪い、介護制度を使って正々堂々と死んでやるわい。
えっ、私には誰もいない、汚れた部屋で一人きり死んでいくのね…未婚既婚、男女限らず、惨めな結末に光を与えてくれた。
叩かれている理由としては、結婚制度を否定し、勧めない彼女が、極秘で入籍していた。
=言行不一致。
相手の男性に妻がいたのに、20年以上も付き合い、不倫していた。
その男性と二人で長野に山荘を建てて、愛車の外車で通っていた。=悪?
そして、介護して、看取り、入籍して、山荘を受け継いだ(この建物は共同で建てた)=なーんだ、古い日本の女性?
ここぞとばかり、批判が湧き上がった。批判というか、半分やっかみのように感じた。
当の先生は、きっとおかまいなしのどこ吹く風だったと思う。
自由恋愛をし、自分で稼いで、人を愛し、友人や介護制度を活用して、その人の晩年を看取った。
不倫だけしてポイならともかく…息子さんも認めている仲。
何が悪い?!あなたも看取る位の愛を貫いてみて、先生の高笑いが聞こえる気がした。
さて、私は結婚制度の中で(?)無償労働として、子を産み、介護も義理の母、両親をそれなりに看た。
なので、「一人の人を介護して、看取る」事がどれだけ大変か、体験もしてるし、想像に難くない。
その男性が感謝をして、自分名義の山荘を譲ることも、当然だろう。
上野さんが 小さなバーか小料理屋のママさんだったら(差別的ではないので、失礼)こんなに評判になるだろうか?
元東大の教授で学者、作家という職業、本は売れ、タワマンに住み、外車に乗ってる。
(私でもよだれが出る、かっこいいなあ!)
しかし、私は上野さんがどう生きようと勝手だが、チラと垣間見える自分の貧乏根性みたいなのが嫌だった。ひがみ、そねみが嫌だった。
それと、ここは欧米ではなかったということ。
自立した個人としての男女なら、何をやっても自由、とは、見なされてない。
そして、これは、いささか体験した 者として…互いに自由恋愛した「つけ」や、周囲の家族当事者に何らかの「加害的」作用を全くしないとは限らない。
妻に一軒家を与えて、立ち去った男性と恋愛相手の女性、二人が、妻や彼の家族に与えた傷はなかったのか?いかがなものだったろうか?と。
だから、別なところに書いたのだけれど、謝罪責任と説明責任はあるのでは?と。
すると、婦人公論に記事を書くそうで、よかった。
最後に「上野千鶴子のサバイバル語録」から。
…「恋愛ほど、自分について学べる場所はありません。自分の欲望、愛着、未練、嫉妬、ずるさ、エゴイズム、それに孤独。ただし、学ぶためには高い授業料を払わなければなりません」
他に、「トキメキや性欲は、高くつく」「婚外恋愛とは、節度あるおとなの特権」などなど。
上野さんにとってこの位の授業料は平気でしょうね?
周りの人の授業料は、いくらだったのでしょう?