vs.FC東京―似て非なる勝ち点1 | みつぼしをこえてーglory for the fourth star

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サンフレッチェのことをうだうだと。広島のグアルディオラ(確信)森保一と紫の戦士たちの歩みとともに。



水本裕貴の負傷が判明(試合後に全治2か月と公表)し、塩谷親分のリオ行きを祝ってるばやいじゃばいやいになってきた今日この頃ですが、無慈悲に連戦は続く。


ACLで延期していた第10節であるFC東京戦でござる。神戸戦で顕になったサイド(ストッパー)からのボール循環の少さからの中央衝突で青山不在カウンターを繰り返すという悪夢が続くの否か。それが大事。







◆試合展開



立ち上がりの東京はムリキ、前田の裏抜けをシンプルに使い、そこをスタートにいっきに襲いかかるプレスで広島を圧倒した。5分で3つほど決定的なシーンができていたが、鉄の守備陣がなんとかしてなんとかなりましたという通常運転。


10分ほどで落ち着きを取り戻すが、東京のペースが落ちただけ、という感じでボールは全く回らない。2トップの脇をストッパーが使って回せればいいはずなんだけど、そうはさせじと東京のSHがものすごい勢いでやってくる。ここまではセオリー通り。一時期流行ったミラーゲームだが、逆サイドを捨てた特攻や繋がれてもウイングと塩谷を死んでも抑えますの6バックと戦況によって使い分けが出来る442の方が良いという結論に多くのチームが達しているようだ。そしてそれは実際正しく、強烈なカウンターを浴びまくっている。



ならばとこちらもいつも通り千葉カズ青山が仕掛ける代わりにストッパーは下がってカバーするという動きであったので、中央を固めれば良いというだけになる東京。特に新参の宮原様への誘導が露骨だった。ここでウイングやシャドウがストッパーをサポートして中央へのパスコースを作る...という動きが自動的にやれればいいのだけど仕様に入っていなそうな広島。



これは擬態だよという説もあり、塩谷がロングフィードで一気に大外を抜いていたりするが、奇襲は実らず。土曜日から連投のためかいつも以上に動きに乏しく、両者カウンターで失点は嫌ですという力配分で共犯めいたまったりとした時間となった。まったりスコアレスは得意技ではあるけどストッパーが敵陣で前を向くまで40分かかったのはいくらなんでも動かさなすぎる(神戸戦は33分ほど)



優勝してたころはこれは死んだふりでその代わりに守備はしっかりしていたのだけど、今年は特に守れもしてないので本当に死んでるんじゃないかと不安。東京はボランチをSBの位置においてムリキをフリーマンとしてライン間を狙う形で再現的に広島ゴールに迫るが、ムリキも前田も動く代わりに誰が中に居るの?であったので決定機には至らず。MX実況陣も不満顔




後半。


広島が先に動き浅野拓磨君登場。代表に続き神戸戦でもカルマを溜めてしまったので精算したいところ。しかし、東京が前半はリスク管理だったのだよとバシバシ中央にもう片方のボランチやSHがやってきて広島を慌てさせファウルが嵩み危ないシーンが増える。浅野拓磨君はボールにより過ぎてしまうのでその裏でムリキと小川が暗躍し、親分とカシッチがだいぶてんやわんやしていた。それでもタイマンならなんとかしてしまう親分マジ親分だし千葉ちゃんもえぐいスイープを見せる。



浅野拓磨君注入のおかげで両者のギアがあがりビルドアップ問題は解決。つまりはピンチと引き換えに青山とカズから縦パスが入るようになり、撃ち合いに発展する。特に青山が本来の輝きを取り戻す攻守両面での的確な舵取りをみせたことは大いなる希望であった。



東京はプレスの追いつかなくなったムリキ→バーンズ、東→河野。



しかし徐々に繋げる場所の解ってきた広島が先手。縦パスによりウタカがラストパサーとして振る舞う準備が整い、ついに千葉→柴崎晃誠のフリックに抜け出したウタカの折り返しを浅野拓磨君が沈め先制に成功する。ウタカの切り返しに対してタマジュンが完全に喘ぎ声だったのわらってしまったが流石のクオリティ炸裂であった。


という喜びもつかの間、CK崩れから橋本拳人に合わせられすぐさま同点になってしまう。EUROでも勝負をよく決めているセットプレー崩れからのマークのズレ。宮原様痛恨。


これで勢いに乗った東京を止められず、ズパズパと決定機量産され万事休すかというところをタクトさんが救いだしなんとか耐える。耐えきった広島が今度は逆に攻勢。終盤流石に守備が緩み両ウイング自由を得たところで清水航平、柏好文がビッグチャンスを迎えるが惜しくも成らず。


高橋画伯2度目の登場で今度こそ破ろうとするもゲームセット。勝ち点1を持ち帰ることになった。








◆トピックス―似て非なる勝ち点1



広島としては2戦連続の追いつかれての勝ち点1、それも得点直後にクロスのマークを誤るという残念な失点で勝ち点を失ったわけでダメージがあるものとなった。


ただ、同じ引き分けとしても神戸戦のそれとは大きく意味合いの異なるものであろう。


神戸戦でも東京戦でも外からのビルドアップの単調さが狙い撃たれてしまったのであるが、神戸戦では機能不全のまま突撃を繰り返していたのに比べ、東京戦では我慢しながら立て直し、終盤に先制するという粘り強さをみせることができた。


これは大きな一歩ということができるが、それだけに「勝ちパターン」として結果をもたせられなかったダメージが大きいとも言える。個人的には復調の一歩と見られればなと思うのだが、それは浦和戦次第か。







◆未来へ



浦和もまたACLでのショッキングな敗退から連敗を重ねており、互いに屍肉を喰らって這い上がりたいという一心だろう。


満身創痍や怪我人続出の中でどのように組織を再構築していくか、優勝戦線に残る資格が問われていそう試合なので、タイトルに関係がないからこそ、より大きなもののかかった試合になりそう。個人でもチームでもなんとかなにかしら掴んでほしい。結果だ。結果あるのみ。



では。