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ハッシンハッシーン!
アルが家で柔らかくした穀物を丸めて伸ばしているときのことだ。
イルカちゃんがアルに話しかけてきた。
「ねぇねぇアル、なんでこの頃、ボクらにきいてくれないの?」
ん、何を?
「なんか。なんでも。
前はもっと話しかけてきてくれたよね」
そうだね、
なんで、ということはないんだけど、
毎日いろいろしてて…
「もっと話しかけてきてね、
ボクら、いいたいことがたまっちゃってたまっちゃって」
うん、わかった。
何をきいたらいい?
「セイジとかケイザイとかいうの?
そういうのはダメだよ、
ボクらはいつも、目指すところを話すよ」
うん、わかった。
何をきいたらいい?
「うーん、
みんなが、目指すところについて考えているなら、それをきいてくれればいいんだよ、
ひとりひとりが。
ひとりひとりみんな違うから」
うん、わかった。
「よかった(^-^)
じゃね、待ってるよー」
◯
ニコニコしながらそういって、イルカちゃんはいなくなった。
アルはよくわからない。わかったようなわからないような。
目指すところを決めたらきいてみればいいのかな?
何を目指したらいいのかよくわからないんだけど、と相談すればいいのかな?
イルカちゃんたちの言葉は、よくわかるときもあるけど、こういうケムに巻かれるようなときも、多々ある。
アルは柔らかな穀物にまみれたまま止めていた手を洗って、
また続きをはじめた。
これは、油で焼く?
天日干しにする?
目指すところって、こういうこと?
それでもいいんだよね、きっと。
イルカちゃんの声が遠くからきこえてきた。
「ちゃうんちゃう?
そんなんでもえーけどなー」
アルの目と口元がゆるんだ。
イルカちゃんはいつでも、ホンワリしたものを残していく。

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