星は昴と言いし人の

哀しきまでのうつくしさ


君のこころの

ことのはの

小さな綾を秘密にし


クレマチスの花で

隠しましょう


星は昴と言いし人


世俗に染むには

苦しかろうと

想うほどの清らかさ


散った硝子のかけらほど

わたしのこころに

響くから

痛みに耐えて

下を向く


哀しからずや

わがこころ

笑みをうかべて

ことのはの


浮いては

消える

はかなさは


5月の風に

流しましょう


星は昴と言いし人


類まれなる

むらさきの


天空のそこに

いまします


ならば

うたえよ

藤村の

詩をばおもわず

くちずさむ


まだあげそめし

まえがみの

りんごのもとに

みえしとき


その清らかさは

昴に似て

いまします