あるIT企業の経営者から、遺産相続の相談を受けましたが、専門外のため過ってセミナーで会った銀行の支店長を一緒に訪ね、要件を話すと、「私どもでお手伝いさせて下さい」と膝を詰められたことから、話を聞くことになりました。
 専門の担当を呼ぶと言って部屋を出た支店長が、暫くして二人の女性を伴って部屋に戻ると、「紹介します」と40歳代と20歳代の女性を指して、何れもファイナンシャルプランナー技能士の国家資格を持つとのことでした。
 聞けばこうした資格を積極的に取らせ、顧客の資産運用や遺産相続などのサービスを提供しているということで、これまでの貸付や融資の仕事では発展性が無いことから、保険や証券まで金融商品やサービスなら何でも扱うこと言います。
 二人の女性行員は名刺交換の後、「遺産相続について簡単に説明します」というと、傍らのパソコンを起動させ、壁に移された画面をレーザーポインターで指し示しながら話し始め、その巧みさに思わず聞き入ってしまいました。
 IT企業の経営者も分かりやすい説明に満足したらしく、さかんに頷いて聞いていて、所々で質問も挟むのを見ると「任せる積もり」との意向が窺え、「お二人に任せませんか」と気持ちを確かめると、「お願いします」ということになりました。
 話し終わると20歳代の女性行員が「上司を連れてきます」と席を立ち、やがて資産運用を統括しているという部長級の男性と、さらにコンシュルジェだという30歳代の女性を伴って戻り、夫々紹介を受けました。
 出入りする行員を見ていると、男性より女性の方が多いように思え、一通りの説明が終わって、支店長と二人きりになった折りに、「銀行は女性の行員が多いですね」と問いかけると、「数の上では半々でしょうか」ということでした。
 男女共同参画ということで、女性の社会への進出や職場での活躍の促進が言われていますが、銀行などでは既にそうした状況になっているように感じ、職種によっては女性の方が、 数の上でも役割の上でも男性以上ということが分かります。
 政府は職場で働く女性の割合を増やすとか、女性管理職の比率を30%以上にするとか、数値目標を掲げていますが、一律に決めつけても達成は難しく思われ、出来ない業種や職種もあると思われます。
 言われる以上に女性の社会進出は進んでいるようで、銀行で目にしたと同じ光景が見られるところも多々あり、賢い女性は適性に合う業種や職種に男性を伍して進出し、既にそこでは男性と遜色のない地位を占めているようです。
 
人事賃金コンサルタント 上田松雲
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