2013年夏のTVアニメ『げんしけん二代目』の視聴完了。いつものように感想を。
いい作品だった…。
が、例えようのない不満が残る作品でした。
ヲタのちょっとリアルっぽい生体?をコミカルに描く原作マンガのアニメ化で、今回の二代目はTVアニメ的には第3期(スピンアウトやOVAもあったの実質4期目)になるという、割りと息の長いアニメシリーズです。の割には、一般的な知名度はちょっと低めかな!?
今回の作品は丁寧に作ってあって、もう10年前になる『げんしけん』の時のような作画崩壊もなく、キャラデザインや処理もよかった。また、もともと「げんしけん」シリーズの監督であった水島努氏(OVA「げんしけん」の監督を担当)が、いろいろと忙しいなかで音響監督も込みで監督を担当してくれたので、作品自体はさすがによくまとまっていた。
シリーズ構成も横手美智子さんで、げんしけんシリーズはずっと彼女が担当していて、雰囲気自体をよく継承してくれたと思う。ただ、原作での山場である斑目さんの予定調和失恋までやるがために、かなりすっ飛ばしてエピソードの短縮やカットをやったこともあり、かなり急ぎ足な感じだったのはしょうがないけど、残念だったね。
あと、第一話で前シリーズのおさらいやキャラ紹介をほとんどやらなかったので、原作やアニメ未見の人は「?」状態になって一話で切られてしまった可能性は大だけど。とはいえ、原作や前シリーズのアニメを観た人には、たいして違和感も感じずに楽しめたとは思う。
まぁ、BGMに関してだけはフツーな印象だったな。初代げんしけんのあのすっとぼけた音が大好きだったこともあり、今回の作風はコメディ一辺倒ではないから音も違って当然なんだけど、ね。
テーマ曲はOPがモモーイ作品なんだけど、ボーカルはおろしあサンな上坂すみれ。正直、モモーイが歌わないとあんまし生きない曲だったなぁ。曲CMがカブキロックス込みのクドさもあって、あんまし好きになれなかったよ。エンディングはヘーボンそのもの。すでに忘れかけているが。
で、いろいろと良くデキているので普通なら褒めて終わりの感想なんだけど…。
今回は前シリーズからキャストが一新されている。
まぁキャスト変更はよくある話で、スポンサーや制作関係も変わっているのでキャストが変わるのも当然なのかもしれん(ローゼンメイデンは10年前と同じだったが)。
が、前のキャストに連絡もなしに変更するのは仁義なさすぎだよね。昔のルパン劇場版の時にキャスト一新する歳に新ルパンとなる古川登志夫さんが山田康雄さんに怒られにいった、みたいな話はトンと聞かないもんな。ラジオで関智一がOPの「げんし、女子は、たいようだった。」を紹介したとき、「オレ、このアニメ、出演してたよ」といって、相方の長沢美樹が「じゃ、また出られるね♪」と乗ったのに、ブースからキャスト一新されて関智一の出番なしと知らされた時の「あー、すでにキャスト決定済みだそうでございます…」のテンション下がりまくりなコメントは笑ったけど、気の毒だったかな。ま、こういうことも慣れているんだろうけど、関智一じゃなくて山寺宏一だったらどーなっただろうねぇ!? さすがに神経質でウルサめな、あえて大物ぶるヤマちゃん相手にはそんな不義理もしないか…。
で、その一新されたキャストに違和感を感じたのと、演技の質の低下が感じられてガッカリした最大の要因となった。二代目のキャストは若手を中心に据えて、中堅や一部ベテランも配したんだけど、前作のイメージを引きずっているうちの違和感とかはまぁしょうがないのだけど、演技がなぁ。
今回の主要キャラはど新人は起用されず、若いがそれなりに実績のあるキャストが起用されている。新キャラを務める女性声優陣は、まずまず無難であり、一部「えーー、そんな演技で済ませちゃうの?」という違和感はあったが、ややゴリ押し気味の上坂すみれも含めて、まぁまぁだったと思う。ま、高坂役のヤツはダメすぎたけどな。
ダブルキャストだった波戸くんも、アニメならではの表現もあって、そこそこうまくやったと思うね。女声を能登麻美子にせずに加隈亜衣にしたのもよかったと思う。能登は、10年前のかわいさはもうないしねぇ。神永先輩役でちょうどよかっただろう、から。
で、一番ダメだったのは、クレジット的に主役の位置を占めた山本希望。前々からこいつの演技は希薄かつ軽くて、とてもメインキャストを務める器にあらずという印象をもっていたのだが、今回の荻上千佳役を継承した演技は、まさに一言「死ね!!」で済むものだった。声質は、前任の水橋かおりのものに比較的近いものがあったが、セリフの強弱や荻上というメンドくさい女のバックボーンが思い切り置き去られたようなパープーな表現方法に、ホントに死ねと心から呪いたくなった。こいつの演技は最初から最後まで同じで進化もなく、なんでこんなのが起用されてるのか、理由を知りたくなるくらいダメすぎな演技だったわ。
さらに、バックを締めるはずの大野加奈子役のゆかな、クッチー役の福山潤、そして咲ちゃん役のサトリナ、この中堅どころの3人がどハズレだった。まったくのペケだった。前キャストの雰囲気を継承できず、またすべての演技が軽かった…。ゆかなはオバさん声をかくすためか、妙に甲高い声で終始させ、大野さんという実は引っ込みがちな巨乳レイヤーを、ただのコスプレバカにしてしまったし。福山はあれで頑張ったとは思うが、如何せん前任者がすごすぎた。石田彰のすごさを福山の苦戦していた演技からものすごく感じたね。
咲ちゃんは前シリーズのヒロインだし、ホントに重要なキャラで、出番が3話くらいしかないのなら、わざわざサトリナを起用する意味はなかった。昔でいう小股が切れ上がったイイ女の演技はサトリナでは無理だった。ここでも前任者の力量のすごさをはっきりと感じられたね。
で、シリーズの真のヒロイン・斑目晴信も交代。ヒョロきも男の斑目を萌えキャラにまで昇華させた檜山修之ではなく、最近ようやく陽の当たりだした興津和幸は奮戦はしていたが檜山の声真似感が最後まで抜けず、独自の演技がほとんどなかった。さらに、大人になった斑目のダウナーな気分は出せていたが、アドリブ的に燃えを出せず、総じて薄味な受け身男に成り果ててしまった。なんとも残念無念…。
前のシリーズは作画的にキツい感じもしつつ、何度も繰り返して見るほど楽しんだが、今作は一度みたらもう十分。BD購入? なんの冗談だよ!?ってな気分だな。これは、はっきりいって役者のクオリティダウンだけでここまでな気分になるとはねぇ。改めて、アニメは作画や演出だけじゃないのね、とかんじいった次第だ。実際、BD第一巻の初動売上は、超爆死状態で、800枚しか売れなかったらしいしな。
なんか原作者は「今回のキャストはイメージどおりでよかった」的なコメントをしたらしいが、「へぇ…」という印象しかないな。ま、リップサービスなのか、別のところに本心があるのかはわからないけどね。
ここまで印象変わったのは、やっぱし音響監督も兼任した水島努氏の責任でしょう。まぁ、キャスト変更についてはいろいろとあったんだろうけど…。明田川仁氏が継続してたら、どーなってたのかなぁっと。
たしかにBD売上は初動は大爆死だったけど、アニメ自体は後半から評判もよくなり、2chのスレの書き込み数も閑古鳥状態から盛況になるほど改善していたけど、それよりも視聴率とBD売上がよくならなきゃ成功とはいえんだろうしね。
ちなみに、単行本16巻にはアニメDVDが付録に付くらしく、成田山初詣エピソードがアニメ化されるらしい。ただし、現行キャストで…。波戸くんやヨシタケがいないなかで、大幅にクオリティダウンしたキャストたちでやるのは…マジで反対だけど。また薄味でボソボソとした演技になるのは目に見えてるしな。ここだけでも、旧キャストを復帰させてほしかったよ。
原作マンガはこのあとクライマックスなんだけど、たぶんアニメ化はされないだろうなぁ。でも、業界関係者とかにファンが多く、原作の売上もよい(というか停滞気味の「アフタヌーン」の看板作品になっちゃってるけど)ので、コミックス付属のOADくらいにはなるかな。
ホントはそういうのやめてほしいんだけどね。最近のOAD付コミックは糞高い上にBDじゃなくてDVDなんで買う気がおきないしさ。さらに、あのキャスト…。
懐古厨だと言われそうがなんだろうが、言わずにはおれないわ。
「君たちの愛してくれたげんしけんは死んだっ…。なぜだっっ!!!」
「…ぼうやだからさ」