第11回ピアスタッフの集い報告集

 

 

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内容を一部掲載します

 

第11回全国ピアスタッフの集いを振り返って

 

今年度の全国ピアスタッフの集いは12月上旬の実施でしたが、とても12月の気温とは思えないほどの 晴れの日でした。晴天と学内の銀杏が綺麗に色づく中、北は北海道から、南は沖縄までと、本当に全国 各地から沢山の方が足をお運びくださいました。改めて心よりお礼申し上げます。

ここ数年の世の中の状況から、顔を合わせての出会い、言葉や気持ちを交える機会を持つことが難しい 時期が続きました。けれどもこの2日間、とくに分科会や交流会が行われた2日目には会場の至る所で 「はじめまして」「ひさしぶりです」「会いたかったです」などの声が聞こえ、そんな皆さんのお姿をみてとて も胸いっぱいであったと共に、こんなこと・あんなことを皆さんと沢山分かちあいたいという気持ちが湧き 出てくるような時間でした。顔を合わせるのが難しい時期に、障害福祉サービスにおいては報酬化がなさ れ、2024年度からは新たに共同生活援助(グループホーム)や自立訓練(生活訓練)にもピアサポート 実施加算が新設される見通しです。そのような中でピアスタッフ、ピアサポーターとしての働きをスタート された方もいるでしょうし、ここ数年でその存在を知り、興味関心を持たれた方もますます増えていること でしょう。

ピアスタッフ・ピアサポーターの多くは、日頃多くのことを感じ、そして模索しながら働いていることと思い ます。時に嬉しかったことを誰かに伝えたくなったり、どう考えたらよいのだろう?という疑問やモヤモヤを 誰かと共有したくなることもあるでしょう。しかしながら、そのようなことを分かち合い、交わり合う機会が 多いとははまだまだ言えない状況であると感じています。全国ピアスタッフの集いは年に1回ですが、その 年に1回の集いで、他のピアスタッフ・ピアサポーター、関心を寄せて下さる他の職種の皆さんと心を通わ せあうことを通じて、明日へのエネルギーに繋がること、そして自分自身が大切にしたいことを思い起こせ るような機会になることを願っています。 みなさん、きっとまたどこかでお会いしましょうね。

最後に、共に運営をしてくださった現地実行委員の皆様、今年度の集いを東京で開催させてくださった 日本ピアスタッフ協会の皆様に心よりお礼申し上げます。

第11回全国ピアスタッフの集い実行委員長

佐々木 理恵

2012年11月30日〜12月1日に「第1回全国ピアスタッフの集い(仮称)」をボランティア含めて総勢 約80名が集い、国立オリンピック記念青少年総合センターにて開催いたしました。多くの方が宿泊し、会 議室を貸し切って夜通し対話を重ねました。それから10年。東京での開催はこのとき以来、11年ぶりとな

ります。今回の抄録集にこれまでの集いのテーマや分科会タイトルの一覧があります。テーマからピアス タッフをめぐる時代背景、現状と課題の変遷が見えてきます。今回のテーマは「ピアアドボカシー」。坂本 先生のご尽力のもと、初めて海外からの招聘講演となりました。

10年を経てピアスタッフも、ピアサポート活動も、またピアサポートを語る人も格段に増えましたが、やは り、まだまだ希少(と言っていいと思います)なピアスタッフ、ピアサポーター、またピアサポートに関心のあ る人々が集まり、久しぶりに会える喜びはひとしおです。巷ではなかなか通じ合わないピアサポート界隈 の言葉が共通言語として通じあう感動があります。苦労も多いですが、やめられない、クセになるなんとも 言えないエネルギーが沸き起こります。一方で、課題も成熟してきて、多様に育っているように思います。

2021年4月から障害福祉サービス事業への加算が開始し、これからさまざまな課題が一人ひとりのピ アスタッフや雇用する職場、同僚の皆さまが感じることと思います。ピアサポートの価値やリカバリー志向 という方向性を見据えながら、皆さんと共有し、対話を重ねることで、乗り越える方途が示され、その先に は、日本のピアサポートのありようが見えてくると信じます。改めて今回参加された皆様、分科会等を担当 してくださった登壇者、運営、お手伝いくださったボランティアの皆様、日本ピアスタッフ協会の皆様、そし て何よりも、今回の実行委員長佐々木さんはじめ実行委員会の皆さまに心より感謝申し上げます。どうも ありがとうございました。また、次回の集いでお会いできることを楽しみにしています。

日本ピアスタッフ協会 顧問

相川 章子