「一般社団法人 精神障がい者ピア相談室」のブログ
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 アメリカで、エイズ発症による死亡者が多かったのは、レーガン政権の「エイズ」に対する無関心で無政策のために引き起こされたものであるといわれています。
 レーガン政権は、無関心というよりは確信的に無関心を振る舞ったと言うべきかもしれません。ニクソンが共和党の支持基盤として取り込んだ、南部の民主党支持者—キリスト教右翼と呼ばれる—福音派の人たちのために無関心ともいうべき態度をとり続けたと言われます。福音派の人たちにとって、同性愛者でエイズを発症した人というのは、同性愛を禁じる神の教えに背き神罰を受けた人であり、救済されるべきではないと考えられていたからです。そして、レーガン政権は、他国で承認されている抗HIVウィルス薬のアメリカ国内での承認を、あえてさせなかったともいわれます。

 この状況に対して、HIV陽性の当事者のカウボーイが、抵抗を起こすことになるのです。

「ダラス・バイヤーズクラブ」は、このHIV陽性の当事者カウボーイの活躍を描いています。このカウボーイ、ダラス—テキサス—南部の典型的な保守的な男で、ゲイ嫌いです。「エイズなど、ゲイ野郎のなる病気」で、「買ってはいるけど、女が好きで女とやりまくっている俺様がなるはずがない」と陽性であることが発覚するまで思いもしません。

 まあ、こうした難病もの主人公というと、発症後、聖人君子みたいになります。しかし、このカウボーイは違います。自分のつくった「ダラス・バイヤーズクラブ」に未承認の抗HIVウィルス薬を手に入れるため入会にHIV陽性の女性が来たと知ると、この女性と一発やってしまう男です。女とセックスしたくてたまらないのです。

 当事者としては、こうした人間的欲望は、肯定されるべきで、社会から白い目で見られたとしても自分の中から排除してはいけないと、私個人としては思っています。

 「ダラス・バイヤーズクラブ」で忘れてはいけないのは、ダラスのあるテキサス州というのが自助の精神が大きいため、連邦からの補助金をえないといけない、アメリカでも下から数えたほうが早い低福祉の地域であるということです。低福祉であるために、当事者による自助活動を行わなければならないのです。

 当事者による制度改革が、品格方正な人物によってという考えは捨てるべきだとは思いますよ。

「ダラス・バイヤーズクラブ」予告

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