ある中学でマラソン大会が行われた時のこと

この大会には一人、体の弱い生徒が参加していた
彼は体は弱くとも意思は強く、ビリとはいえ最後まで見事に完走


そんな彼の姿をゴール前に集まったクラスメイトたちは拍手と大歓声で迎えた



ところが、無理をしすぎたのであろうか
彼はゴールをした途端にその場に倒れ込み、意識を失ってしまった


驚いた教師たちはすぐに彼を病院に運び込んだが
彼の意識は二度と戻ることがなかった

後日、そのマラソン大会の写真が現像された
教師の一人が頑張る生徒たちの姿を収めようと撮影していたものだ


その中にはあの少年がゴールした瞬間に撮られた写真、ゴールを駆けぬけながら今まさに崩れ落ちようとしている


少年の写真も含まれていた

「彼が参加したいと言った時
 やはりもっと強く反対しておくべきだったんだ」

教師は悔やみながら少年の最後の姿を見つめた
苦悶の表情を浮かべ、今まさに倒れようとする少年


そして、一瞬後の悲劇を知らずに少年に向けて
暖かい拍手を送る他の生徒たち・・・
しかしその瞬間、教師は驚きのあまり写真を取り落としてしまいそうになった


何万分の一の偶然だろうか


写真の中、少年に向けて拍手を送る生徒たちの目は閉じられ手は全てぴったりと合わさっていたのだ


まるで合掌しているかのように・・・



恐すぎ!

昨日終電で帰り


疲れきった僕はため息まじりで空を見上げた。


空一面には星。


満天の星だった。


僕は言った。


「東京にもあったんだ。」



そう。ここは神奈川。