私はロマンティックな恋愛しかしたことがないので、かわいい思い出がまぁまぁあるのだけれど、


最初の旦那さんが、はじめて一緒にみた映画。

天使にラブソングを。の帰り道、

傘をフワフワと踊らせて、雨の街を2人で歩いた。若いと全てが素敵である。


ここに書くのも辛くなりそうだったので、

書くこともやめていたけれど、

明日、私は最後の入院をする。

末期がんなので、しばらく家へ帰っていいと許可をもらっていたのだ。

おそらく私は死ぬだろう、、、、、


けれど、手には3つの風船がある。

ひとつは佐野元春さん。

ひとつはミヤ。

ひとつはドリカム。


ベッドの病床でも、恋愛したり何かと戦ったりひながら、彼ら彼女らの歌を生きる。

ベッドの病床で明日死ぬとしても、

恋愛してもいいし、

何かと戦ってもいい。それが音楽だ。


音楽は羽。音楽は風船。音楽は宇宙。


もうすぐ死ぬ人間であっても、

どこにでもいけるのが音楽。


色んなことを垂れ流した。

辛くてどうにかなりそうだ。な思いと、

なんでも壊れてしまえ。な思いと、

くだらない世の中だ。な思いと、

くだらないと思えるもの。も本来の意味はある。


そんな気持ちだった。


歌は歌。作品は作品。

でも、その世界観全てを、乾いたものとしてしまうには、あまりにも素晴らしい言葉たちだって、

あるだろう?


けれど、わたしはもうすぐ死ぬ。


それは避けようのない事実だ。


きっと、ドリカムは私が死んだあとも、

正人はどうせ暴走していくし、

美和ちゃんは素敵なまんまだし、

どうせ、ミヤは黙ったり煮詰まったりしながら、

グラグラグラグラとよくわかんない内省の泉を泳いでいくんだろう。

どうせ、佐野さんは素敵なまんまだ。


私が死んでも、世の中の景色は変わらない。


でも私は言いたい。


文句をぶつけ続けた音楽たちにも、


ありがとう。と、、、


色々文句言わせてくれてありがとうと!


まぁまぁ楽しかったよ、、と。


死ぬ寸前まで、

ドリとミヤと佐野さんを枕元において、

私はあの世へ旅立つ準備をしよう、



この国の愚かな行為の全てや、

この国の愚かなゲームの全てや、

そんなものを、空から見つめる準備をしよう


空の上で、

ジョンとそれについて語ろう。


病床であっても、

風船3個は、

心を普通にどこへでも旅立たせてくれる。

何度でも言いたい。

死ぬ寸前まで人は夢を見て、冒険をして、

世界を考えてもいい。

その風船が音楽たちだ。


この世界にありがとう。

さようなら。