お疲れ様です。

TKGP walker(ティーケージーピー ウォーカー)です。

 

前回から引き続き、楽しい小児科研修について書かせていただきました。

興味がおありの方は続きをお読みください。

 

 

今回のお話は上記です。

 

ヒトラーの大衆扇動術には、『大衆の不満点を把握する必要がある』と記載されています。
今のアメリカを見ればお分かりと思いますが、怒りのエネルギーは非常に強いです。

共通の敵がいれば、仲たがいしている者も協力でき、その結果組織を破壊することもできます。

その怒りが、相手側にある以上はこちらの魂胆は必ず失敗します。

今回のケースでいえば、小児科を勉強してもらうこと、そして入局してもらうことです。
絶対失敗するものに対しては、対処をしなくてはいけません。


医学教育に置き換えてみましょう。

ここでいうところの大衆とは、「学生さん」と「研修医の先生」です。

私が学生だった時代よりも、明らかに学習内容が多くなっており、濃密になっています。それをひたすらに暗記するだけの授業にストレスがたまらないわけがありません。それでいて全て必修単位というプレッシャーは、暴動の余地すらあります。では、そんなところで低レベルな授業を行っていると、果たしてどうなるでしょうか。

 

考えるまでもないですね。

では、どうやればよいのか、考えなくてはいけません。

学生さんには、無駄にする時間はありません。ただでさえ過密スケジュールです。

リアクションのないアンケート

判定にならない小テスト

もっと言ってしまえば、自主学習の方が効率が良い授業などは、現在の教育において無駄ということになります。

うちの大学のケースで言いますと、お金に関してシビアです。ICT戦略は使えません。となると、紙媒体での運用になりますが、「ミニッツペーパー」という手があります。

記載がいささか古いのですが、現代でも通用するものです。ただ使い方を間違えてはいけません。「記載者の負担の低減」と「迅速なリアクション」が使い方のミソです。回答してもらわなくては何の意味もありません。

匿名記載で2問だけとし「この授業の理解度を5点満点で何点か」「この授業で何かもっともわからなかったか」の2つだけを返答してもらうようにし、授業の最初に配り、最後に回収すればよいでしょう。返答は掲示板に張り出し、公開することが望ましいです。リアクションがあるということが大事なのですから。


分からない内容が多すぎるなどの返答がある場合は、教え方に致命的なミスがある可能性があります。スライドの作成や講義の方法を見直すべきと言えるでしょう。

以上が学生さんの不満点の把握方法です。もう1度書きますが、リアクションがないものはしても無駄です。

 

では研修医の先生の不満点は?というと……

 

給料が安い、残業や自主学習が多い、勉強にならないなどがあります。

1つは、労働基準法違反なので、結構早い段階で何とかできそうなものなのですが……。

ちなみに下記のスライドのようなデータがあります。

 


残業や自主研修を良しとする流れは、男女共同参画の運営を否定することとなります。
後述する雰囲気づくりにおいても、同様なのですが、「上司が帰らないから帰れない」環境は、慢性的な疲労感と他者へのストレスを持続的に蓄積することになりますので、滅びます。


そのため、『同じ時間でどれくらい仕事をすることができるのか』という効率主義へ、組織全体の意識を変化させていかなくてはいけないのです。

雇用主も、スローダウンしている者や低能率者のために残業代を払っているわけではないのです。

だいたいおかしいのです。仕事が早く、効率が良い人が、他の人の分多く仕事をして、定時に帰るから低賃金となり、効率が悪い人やだらだら仕事している人が残業代をもらって高給……。モチベーションが保てますかね?

お疲れ様です。

TKGP walker(ティーケージーピー ウォーカー)です。

 

今回からしばらく「楽しい小児科研修」についての記事を書かせていただこうと思います。

提示のスライドとしゃべる内容を記載しておりますので、興味のおありの方はお読みください。

 

 

現在、小児科……というよりも大学病院での研修医が激減しております。

理由はわかりますでしょうか。

中の人は現在、地方病院の勤務医をしており、その病院で出会った研修医と話す機会がありましたので、複数名から理由を聴取いたしました。

「給料が安い。」
「安いばかりか、自分が学生の時に見た研修医の先生は、無給での残業を課せられていた。」
「新入局員の先生が手技をするので、研修医の先生と見学をしていた。研修医の間は、あそこでは手技は学べないだろう。」
「そのくせ『勉強になるから』と将来の役に立つかわからないデスクワーク系の雑用や研究会発表などをやらされる。」
「雑用や言われたことをこなすだけで1月が終わる。忙しそうで何も教えてもらえないのに、ミスや勉強不足を責められる。」

 

なるほど、なるほど。
大学病院での研修は、割に合いませんね。
「手技が身に付く」「給料が良い」「暇」など、何かしらか自分にメリットがある場所へ行った方がましでしょう。どうせ3年目にどこかしらかへ入局すれば、最終的に勉強はできますものね。



さて、大学側はこの事態に危機感を持っているのでしょうか?
研修医数が減るということは、次年度からの受け入れる研修医の最大数が減ることを示しています。
過去に例がありませんので、受け入れ施設でなくなる可能性については言及できませんが、母校が大学病院(笑)となるのは、ちょっと嫌ですね。……いや、全国で初となるのならば、それはそれで一興……。


まぁ、そんな滅びかけの大学病院を見て、ふと、とある映画を思い出しました。

「帰ってきたヒトラー*」

*帰ってきたヒトラー……小説「彼が帰ってきた」を原作とする実写化映画。戦前と同じくコメディアンをするヒトラーを描いた作品。キオスクにヒトラーが立っていたり、ネオナチに批判されるヒトラーなどの笑いの要素を多く含む。メディアの力を戦前も戦後もうまく扱う点は、やっぱりすごいの一言。

そうだ、ヒトラーだ。

彼の手法、第一次世界大戦でぼっこぼこにされたドイツを立て直した手法をもってすれば、現状の半大学病院(笑)状態を打開出来るのではないか。

そう考えました。

そんなこんなをしていましたところ、20枚のスライドが完成しました。
使い古された手法で、実際に大学のお偉方の先生に見せれば「そんなことは知ってる」と唾棄されるものでしょう。が、なら何でしないの?馬鹿なの?明文化しないと理解できないんでしょう?と。

もし、新入局員がいない、滅びかけの医局がありましたらば、是非お読みいただきたい。そして是非一緒にさらなる良い方法を検討していただきたい。そう考えております。

 

別記事 にて以下のスライドの内容をご説明しようと思います。

お疲れ様です。

TKGP walker(ティーケージーピー ウォーカー)です。

 

現在の初期臨床研修は「内科、外科及び救急部門(麻酔科を含む)、小児科、産婦人科、精神科及び地域保健・医療については、必ず研修を行うこと」と項目に記載がされています。医者になるためには、そして医者をやっていくには、小児科に関して勉強をしなくてはいけないのです。国が規定していますから。

 

……国が後ろ盾。うーん、実に良い響きです。*

*良い響き……きちんと文章が読めれば、すべての科が等しく研修対象なのだが、明確に科の名前を出していることが良い。ネットで検索すると引っかかってくれるため、「ほら、書いてあるだろう」で説得力を増すことができる。内科、外科で一括りにされると引っかかってくれない。ご愁傷様である。

 

では、きちんとblogもup loadして、より検索で引っかかる機会を増やすべきではないのか、と。

その通りなのですが。

 

が。

 

少し仕事が増えたのです。

 

なんと!私の勤務する病院が研修医の先生だけでなく、医学部の学生さんもローテーションする病院となったのです。

つまり、小児科の宣伝を行う機会が増えたのです。

 

これは気合を入れなくてはいけません。

 

そこで、「楽しい小児科研修というものを検討し作成していた次第なのです。

 

自分の持ちうる経済学論、心理学論、教育学論の資料を総動員し、勧誘研修戦術を編み出しました。効率よく印象付け、興味をひかせて、より深い沼に沈んでいただこう**と考えています。

**深い沼に沈んでいただく……入局ともいう。

 

他記事で、一部を御紹介しようと思います。

 

内容をみて、なるほど、と思いましたらば小児科研修はいかがでしょう?

どうぞ、興味をお持ちになっていただければ幸いです。

前回の続きです。

研修医の先生には下記の小講義資料もお渡ししております。

 

 

解熱鎮痛剤、当院で処方できる口腔ケア処方薬(上記ですとSPトローチやAZ含嗽用配合顆粒)をお渡しし、脱水にならないように説明をするように指導をしております。

 

前回の資料の口腔内ビジュアルにもありましたが、白苔があるようでしたらば、溶連菌の迅速検査を行うよう指導をしています。

溶連菌感染症でしたらば、抗菌薬の投与を行う方針としています。

当院では、サワシリン顆粒を選択*するように指導しております。ですので、味だとか何日間飲むだとかも別に指導を行っております。

*サワシリン顆粒を選択……現時点において溶連菌はサワシリンに対して耐性を獲得していないので、サワシリンで十分であるということ(かなり前に2例ほど「耐性菌が出た」と報告があったが「マジで?」「データ見せろ」「その後どうなったん?」と質問がいろいろなところから出たところ霊圧が消えた。現在はなかったことになっている)や、バイオアベイラビリティが80%(飲んだらちゃんと体に吸収される)ため。経口第3世代セフェムゥゥ~?内服コンプライアンスがいいからぁぁ~?バイオアベイラビリティ16%で、かつ耐性菌作成の温床だぞ、わかってんのか、ああん!?

 

治療についてもしっかり指導を行い、EBMも教育していきます。

実に教育的ですね。

抗菌薬の勉強に小児科研修はいかがでしょう?

どうぞ、興味をお持ちになっていただければ幸いです。

 

 

上記の資料を研修医の先生へ提示しております。

日本病児保育協会の資料の改変したものです。できる限りビジーじゃなくしているのですが、なかなかに難しい。

 

最近は、ヘルパンギーナ*の患者さんが増えてきております。

*ヘルパンギーナ……コクサッキーA群ウイルスの感染による急性咽頭炎。梅雨から夏にかけて、1~2歳前後の子が急に熱が出て、なーんか水分をとらなくなった(固形物を食べなくなった)というときに真っ先に疑う疾患。口の中をみると口蓋弓部、口蓋垂周囲に1mmくらいの水疱がたーくさん。水疱は破れると潰瘍になる。口とノドいっぱいにできる口内炎、想像するだけでもめちゃくちゃ痛い。対症療法でキシロカイン入りのアズノールうがいを処方してあげることがありますが、うがいが出来ない子は耐えるしかない。脱水になったら入院を勧めています。

口腔内の診察の手技を獲得するには大変いい季節といえます。

解熱剤、口腔ケア、必要に応じての抗菌薬投与など、治療もパターンでなく、年齢や患者さんの発達を応じて足し引きをしなくてはいけないところも実に教育的です。

低侵襲でかつ確度の高い診断の手技獲得に小児科研修はいかがでしょう?

どうぞ、興味をお持ちになっていただければ幸いです。