6/18は、母親を病院に連れていくミッションがありました。
前日夜に秋田入りしていた私は、同じく前日に帰郷していた姉と一緒に、母親の施設に行きました。

母親を病院に連れていく場合は、いくつかの関門があります
1)出掛ける気にさせる
2)服を一枚羽織らせる(まだ風が冷たいです)
3)お出掛け用の靴を履かせる
4)部屋から出ると、いつも食事しているテーブルに行こうとするので、そうではなく外に連れ出す

1回目のチャレンジは、「私が病院に行くんだけど、一人じゃ心細いからお母さん一緒についてきてくれる?」と誘いました。
母性本能をくすぐる作戦でしたが、今の母親にとって私は生活の一部ではないので、「えーっ、なんで私が…」と独り言を言った後、「行かないよ」と言われてしまいました。

2回めは施設の事務員の女性が、「天気がいいので私と散歩いきませんか?」と誘ってその気になりました。
それに便乗する形で、介護士が車イスを持ってきたところで、警戒してしまい、「どこ行くの?」「ちょっとそこまで」「そこってどこ?」「私をどこに連れていくんだ!」と大声を出す様になってしまいました。

そばで見ていた私が、「すみません、少し時間をおきましょう」と提案して、いったん撤退することにしました。
とりあえず30分と思いましたが、30分後、部屋を見にいった介護士さんが、「カギ閉めてます」と報告してくれたのでもうちょっと待つことにしました。

私は病院を予約していた時間に行けそうにないので、病院に最大何時まで待ってもらえるか確認して、できるだけ待ってもらうようお願いしました。

タクシーを呼んで待ってもらっていたので、いったんキャンセルしました。
キャンセルの場合、呼んだ人から電話連絡を入れないといけないルールがあることを初めて知りました。

さらに30分後、事務員だけで誘い、介護士は手を出さないことにしました。

2回めは、事務員の女性が「天気いいから近所お散歩しましょうよ」「デートしましょうよ、デートしたいなぁ」と強引に誘い、うまくいきそうでしたが、また最後に介護士の人が腕を組んで、外に引っ張り出そうとしたので、母親は警戒してまたダメになりました。

この時もまたタクシーを呼んでいたので、またキャンセルしました。キャンセルの電話を入れると、「たしかに乗せれる時に呼んでください」とイヤミを言われました。
しかし油断すると、母親はすぐ機嫌が変わります。
タクシーが来るのを待っている間に、「やっぱり行かない」となりかねないので、あらかじめ呼んでおき、来てから誘うようにしています。

責任感じた介護士さんは、母親の部屋に母親と二人で入って説得を続けました。
どうやって説得したかわかりませんが、二人で部屋から出てきました。
しかし、タクシーはすでにキャンセルした後だったので、玄関で待つことになります。
介護士さんは、母親をなんとか玄関まで連れ出しましたが、「どこ行くの?」「ちょっと…」と明確に答えられなかったので、母親は機嫌が悪くなり、3度めも失敗に終わりました。

私は「今日は本人の機嫌が悪いので、無理です」と病院にキャンセルの連絡を入れました。
すると病院では、「いつでもいいから、来れる時に来てください」と言われました。

施設の相談員が車イスを持って、4度めのチャレンジしようとしましたが、「ごめんなさい、もう時間が来たのでキャンセルしました」といい、「病院はいつきてもいいと言っているので、明日まで秋田にいるので、また明日リトライします」と決めました。

今回の原因は、
・母親は特に悪いところはないと思っているのに、病院に行くと言ってしまったこと
・母親はまだ歩けるのに、車イスに乗せられ、どこかに連れていかれると思ったこと
・介護士さんが腕を組んで強引に連れだそうとしたこと
・どこに行くの?と質問されて、どこと明確に答えなかったことで不安になり、行かないとなった
などだと思います。

認知症の人に限らず、どこに行くかわからないのに、ホイホイ付いていく人はいません。
それに不安にさせてしまうと、すぐ機嫌が悪くなります。

※介護関係者は、この状態を「不穏」と呼びますが、不穏は介護する人から見て、都合が悪い意味なので、私はあまり好きではありません。
※本人が納得していないのは、周囲の人に問題があるからです。
※周囲の人のせいではなく、まるで病気が原因で不穏になったかの様に使われることが多いので、不穏という言葉は嫌いです。

明日リトライする時は、不安にさせない様に、しっかり準備したいと思いました。