終わりにしたくないと



しがみつきたい衝動にかられるとき



貴方の記憶から

私が消えることを恐れているのかもしれない。



貴方との時間が

貴方の記憶から薄れていくことを

恐れているのかもしれない。



忘れないで。



私と過ごした

他愛もないあの時間を

忘れないでいてほしい。



なんで

そう思うんだろう。



貴方に

全てをさらけ出していたから

そう、思うのかな。



貴方と会うとき

私は全身で私を表現していた



感じる感情すべてを

身体全部で奏でていた



嬉しいも

悲しいも

悔しいも

ありがとうも



どこかの知らない

ありふれた

通りすがりの遊んだ女に

なりたくないのかな



貴方にとっての

忘れられない女になりたいのかな



なんで

こんなに憶えていてほしいんだろか。



じゃあ

私はどうだろう。



私は彼を

色褪せることなく

憶えていることはできる?



忘れてしまうことを

知っているから



時間とともに

何もなかったかのように

今も生きてる自分を

知っているから



貴方には

忘れないでほしいと

願いみたいな想いを託すのかな



私は忘れてしまうから

貴方に憶えていてほしい、と。



ありふれた

通りすがりの恋だとして

別れる辛さを振り切ろうとしてるのは

私なんだ。



貴方から受け取ったものを

直視するのを恐れて



別れる現実から

目を背けているから



忘れないで、と


貴方に

痛みを与えようとするんだ。



後悔させようとするんだ。



まるで復讐するかのように。



もっと愛してよ、と

もっと愛してほしかったよ、と


諦めないでよ

溺愛してよ


私だけを、と


私だけを見て、と



親に言えなかったような感情が

沸き上がる。


可愛がってくれるのが

あまりにも嬉しくて。



頭撫でられるのが嬉しくて。

抱っこしてもらうのが嬉しくて。


ゴツゴツした太い指も

深いシワも

白髪交じりの髪も



懐かしさと安心感が

嬉しかった。



貴方は

当たり前だけど親じゃなかった。



貴方の困った顔が嫌いだった。

迷惑かけてるみたいで悲しくなった。



わがまま

散々言わせてもらったね。



貴方も

受け止めようとするから。



どこまでわがまま受け入れてくれるか

楽しんでいた感覚もあった。



貴方の言葉で

他人という認識に戻されると

悲しくなって、拗ねてたな。



痛すぎる女だ。



私の愛が

純粋に溢れる時は訪れるのだろうか。



人から奪うことばかりの私が


いつか

与える人になるときは

訪れるのだろうか。



こんこんと沸き出る

愛そのものの存在に

私も在りたい。


そんな私に会いたい。