日本テレビ系土曜ドラマ「先に生まれただけの僕」
5月上旬にクランクイン、8月下旬にクランクアップ。
10月からの放送も無事に全10回終了~!
お疲れ様でございました。
やっと最終回を観たので少し感想を。
○
櫻井翔という人間の当て書きだからこその終わり方で、良い終わり方だったなあ。
とりあえず、ドラマの内容と合っているかは置いておいて、当て書きのドラマの終わり方としては秀逸だったと思います。
間合いも、なにもかも。
個人的にはとっても好きな終わり方でした。
むしろ、
当て書きでしたよ、櫻井翔が主演のドラマでしたよと、
そう思わせにかかってるんじゃないかと思うレベルの終わり方。
フィクションの、あのドラマの世界を、
そうやって"崩しても"意味があるドラマ、意味を持つドラマ。
最終的に振り切った先は、おそらく最初にあったであろう「櫻井翔の当て書きで」というものに行き着いた感じがブレないなぁって。
最初は内容が思ったより重いなあ、と思っていたけれど、最終的にうまくまとまったなあ、まとめてきたなあ、と。
色々な人たちとの関係構築と対話、自分の思いを発信すること、受け止めること。
ビジネスと学校を融合させて、分かりやすく成功しました、失敗しました、っていう方向に振らないことはなんとなくタイトルを見て分かってはいたけれど、想像以上に人間ドラマでしたね。
タイトルの「先に生まれただけの僕」に全てが詰まっていると思うのですよ。
それはタイトルが発表された時から分かっていたし、その時点にすでに終わり方に期待すらしていて。
「僕はこの学校の校長先生ですが、だからといって偉そうにするつもりはありません。僕はただ、みんなより、少しだけ先に生まれてきただけなんだから。だから先生としてではなく、1人の人間として伝えたい。」
先生である前に人間。
でも、"先生"という言葉は、先に生まれた、人を指すのである。
"先に生まれただけの僕"だけれど、みんなにとってはそんなあなたは先生なんだよって。
最後の長台詞、教室を変えて、クラスを変えて、っていう演出が個人的にはすごく好き。
台詞そのもののメッセージ性もだけれど、
言葉そのもの、というよりは
"鳴海校長が話す"ということに意味がある気がして。
言葉の意味もだけれど、鳴海涼介という人間そのものの魅力を改めて引き出しているような。
上手く言えないけれど、言葉が生きているとすると、その言葉を生かす人間に焦点を当てている演出というか。
その"櫻井翔だから"、"鳴海涼介だから"みたいな部分へのある種のこだわりみたいなものが強く出ている気がして。
他の人が言うと、薄っぺらくなるかもしれないような言葉も、"彼"が厚くし、色付ける。
そこへのブレない演出が、心掴まれたなあ。
「今日の自分が明日の自分になり、明日の自分が明後日の自分になり、そして10年後の自分になっていきます。もし、10年後、自分がこうなっていたいと思う何かがあるなら、今日のうちにやっておかなければならないことがひとつやふたつあるはずです。」
「そもそも、君たちが何かをするまで未来なんて存在しないんだ。だから、君たちができることは足掻くことだけです。不思議なもので、足掻いて進んで行くと見えてくる景色があります。やってみないと分からないことが山ほどある。」
「やってみないと分からないことしかないと、言い切ってもいいかもしれません。だから、なんでもやってみよう。冒険してみよう。冒険しても、文句を言う人はいません。羨ましがる人は山ほどいるかもしれないけどね。」
京明館に来たからこそ出た鳴海の言葉。
説得力が凄まじい。
その鳴海涼介を演じる櫻井翔という人間を追っている人間からするとまた別の"エモさ"が。
私は2012年の24時間テレビでの手紙を思い出したりして。
「未来の自分へ
明日の自分なのか、来年の自分なのか、10年後の自分なのか、
考えてはみたけれど、なにも書くことができませんでした。
なぜなら、未来とは、過去の積み重ねでしかないからです。
昨日積み重ねて今日がある。
今日を積み重ねて明日がある。
明日を積み重ねて未来がある。
だから、僕は今を生きる。
昨日に笑われないように。
明日、もっと笑えるように。」
エモい!!!!!!
だいぶエモい!!!!!!!
櫻井翔好き!!!!!嵐好き!!!!!!!
どこまでもついていきます!!!!!!
(崩壊)
脚本上ではどう終わる予定だったんだろう、とか考えたり。
ブロックとしては校長先生のお話パートの後、島津先生真柴先生パートと涼介聡子パートと加賀谷モンペパートと3つあるよなあ。
あ、涼介聡子パートにモンペパート食い込んでる、、、
さすがに島津真柴パートでは終わらないだろうから、
その後の、
鳴海「これが幸せってやつ?」でも
事務長「保護者からのクレームです」でも
事務長「キングオブモンスターペアレント」でも
鳴海「伸び代しかありませんよ」でも
加賀谷お父さんと校長事務長面談のフェードアウトでも終われそう。
決めきってなかったのかなあ。
良いこと思いついちゃった!って?笑
主演の方をはじめとする役者陣が知らなかった"粋な演出"ってことですもんね。
主演の方がラストシーンとおっしゃっていたのもあるし、
脚本上では「伸び代しかありませんよ」の鳴海の笑顔で終わる予定だったのかなあ。
でも、このシーン撮影時にはもう企んでたんだろうなあ、なーんて。どうなのでしょう。笑
楽しく見させていただきました。
ほとんど最終回の感想ですが、、、
長い台詞のシーンの中で照明を変えて雰囲気を変えるあの演出は、あまりドラマでは見ない演習だったなあ、などと思ってしまいました。
演劇ならああいうことはしょっちゅうする印象があるのだけれど。
あと、細かいところを作り込む、の"作り込む"が、
上手く言えないけれど、
"このメンバーでやってみたかったんだよね"という要素が大きくて、その要素からすれば大成功なのではないかと思いました。
なんというか、視聴率だったり世間受けだったりを気にしがちだけれど、
このドラマの制作陣はこのメンバーでやることに重きを置いていたような気がして。
この制作陣、役者陣で"作り込む"。
そこのあたたかさみたいなものを多く感じることができたような気がします。
素敵なドラマでした。