突然、頭の中に、ある曲が流れた。
「ねぇムーミンこっちむいて〜♪」
おそらくムーミンのアニメの曲だ。
「おそらく」というのは、私は、ムーミンのアニメを見たことがないし、
こっち向いて〜以降がどんな曲なのか、知らないからである。
何となく気になり、この曲について調べたところ、
とんでもない曲であることがわかった。
☆☆☆
まずは1番の歌詞から順番に見ていくことにする。
「ねえ ムーミン
こっちむいて」
ここまでは知っている。
メロディーも何となくわかる。
この1フレーズでわかるのは、
ムーミンに呼びかけている者（以下、「X」という。）がいること、
ムーミンが、Xの方を向いていないこと、
である。
Xは、ムーミンに、Xの方向を向かせようとしている。
しかし、その理由はわからない。
「はずかしがらないで
モジモジしないで」
どうやら、ムーミンはモジモジしているようである。
しかし、この、「恥ずかしがる」というのは、
Xがムーミンの感情を推測したものであるので、
実際のムーミンの感情はわからない。
続いて、こうだ。
「おねんねネ
あらまあ どうして」
おねんね、とは、幼いのね、というような意味らしい。
続けて、Xは、「どうして」と述べる。
この「どうして」は、やはり、
ムーミンが、こっちを向かないことについて、かかっていると考える。
こっちを向かせたいX。
絶対に向かないムーミン。
完全にせめぎ合いである。
Xから見たムーミンの様子はわかるが、
二者を客観的に見た状況は、第三者である我々にはわからない。
しかし、ムーミンは頑なにこっちを向かず、
そのために、Xは、ムーミンを呼び続けている、ということはわかる。
そして、1番の歌詞も終わりを迎える。
「けどでも わかるけど
男のこでしょ
だからねえ こっち向いて」
衝撃を受けた。
頑なにこっちを向かないムーミンに対して、
Xは、
「わかるけど」と、一度歩み寄りの姿勢を見せる。
しかし、この後が問題である。
何と、Xは、ムーミンに対して、
「男のこ」
という理由一個で、
「だから」こっちを向くように、と要求している。
X、いくら何でもその理由づけは強引すぎるだろ。
これで1番の歌詞は終わりである。
☆☆☆
続いて、2番の歌詞を見ていくことにする。
1番で頑なにこっちを向かなかったムーミン、
呼びかけ続けるX。
体勢はどのように変わったのか。
「ねえ ムーミン
あたしにはなして」
Xは、ムーミンの向きを変えることを諦めたらしい。
きっと、もうそのままでいいから、話だけでもするように、と求めることにしたのだろう。
Xの真の目的は、おそらく、
ムーミンから何かを聞き出すことにある。
「かくしたりしないで
なんでもうちあけて」
ムーミンは、何かを隠している。
しかし、Xの呼びかけに対してムーミンは、何らの回答もしていない。
「おばかさんね
だって そんな
まさか ううん」
揺れ動くXの感情。
だって・・・え・・そんな・・
うそ・・・・まさか・・
少女漫画で主人公がこんな反応をする時、
大体相場は決まっている。
そう、登場人物が入れ替わっているのだ。
＞君の名は
そうだとすれば、話はすっきりする。
1番の最初で、Xが、ムーミンにこちら側を向かせたいのは、
顔を確認、
すなわち入れ替わりの事実の有無を確認したいのである。
さぁX、次はどうする！
ムーミンサイドも、すっと受け入れることはできないだろう。
ムーミンがこっちを向かないのも、話さないのも理解ができる。
Xはどんな説得をするのだろうか。
ドキドキしながら続く歌詞を見ると、
「男のこでしょ
だからねえ あたしにはなして」
まるで成長していない・・・・！
＞安西先生か
さて、この曲のタイトルは、
「ねえ！ムーミン」
Xの苛立ちが「！」に現れている。
ムーミン。いったいどんなアニメなのだろうか。
＞間違いなく入れ替わりの話ではない
☆☆☆
ムーミンの歌詞について調べる中で、
リトルミィの名言を見た。
とてもいい言葉がいっぱいあった。
「あなたね、決断力がないんじゃなくて、決断する方法をしらないだけよ。あのね、いい方を選ぶんじゃなくてあなたが思う方を選ぶのよ。最初はいろいろ失敗するわよ、あなたバカなんから。でもそのうち自然といい方を選ぶようになっていくわよ。最初からうまくやろうなんて自惚れてるんじゃないわよ。」
「迷わないことが強さじゃなくて、怖がらないことが強さじゃなくて、泣かないことが強さじゃなくて、本当の強さって、どんなことがあっても、前をむけることでしょ。前をね。」