『捨てられてやって来た僕たちの話』

僕の名前は
しろ!

茶色の柴犬!

全然白くないんだけどね

ご主人様が
僕のお腹の毛が
真っ白でキレイだからって
つけてくれたんだ

僕が
ご主人様の所へ来て
何年経ったんだろ?

ある日
突然
知らない人達が来て

知らない
お友達と一緒に

僕は
ここへ連れて来られたんだ…

何か
嫌なんだ…

暗いし…
寂しいし…
怖いし…

早くお家に帰りたいよ

これから
僕たちは
どうなるの?

ご主人様は
どこ?

早く迎えに来て…

僕らは
一室に閉じ込められた

あっちの部屋は
ガス室だ!

僕たちを
殺すための!

ワンワン…

ニャーン…

僕たちは
一生懸命鳴いたよ

寂しくて…
怖くて…

声が…
震えてしまうよ

ご主人様
早く迎えに来て…




僕たちは
捨てられたんだ

僕たちの
何がいけなかったのかな…

あんなに
可愛がってくれたのに
どうして?

悲しくて
苦しくて
涙が止まらないよ

嫌な空気…
嫌な臭いがするよ…

クゥーン…

お友達が
悲しそうな声で
鳴いてるよ…

あぁ…
ご主人様は
来てくれないんだ…

嫌だよ…
死にたくないよ…

でも

僕たちは
行くよ…

嫌な臭いがする
その場所へ
行かなくちゃいけないんだ!

帰るお家が無いんだ!
僕の帰りを待ってくれる人も
居ないんだ!


ねぇ?
ご主人様

僕たちの
何がいけなかったの?

僕たちは
人間じゃないから?
家族じゃないから?

ねぇ?
どうして
僕たちは
捨てられたの?

ねぇ?
もし
僕たちが
今度は
人間に生まれ変われたら
その時は
捨てない?

どうして捨てるの?
教えて

僕たちは
絶対に
ご主人様を
捨てたりしないよ


僕たちは
お月様の向こうの世界から
ご主人様を
見てるよ

どうか

もう
僕たちみたいな
悲しい思いをする
動物を
増やさないで

お願い