私は良くオーディオブックを聞くけど、最近は宮部みゆきの小説にハマっている。私は割と(?)日本文化に詳しくないので、彼女のことも良く知らなかったが、偶然「理由」という作品を聞いてから、次々と彼女の作品を聴取している。
宮部さんの小説はミステリーとしてもとても面白いけど、現代社会の問題に対し鋭い指摘もする。その中で「火車」という作品はクレジットカードの登場が及ぼした借金問題や、借金に追われて苦しんでいる人達の人生を生々しく見せてくれる。
話の途中で、宮部さんは作中人物を口を借りてこう言う。「クレジットカードの正しい使い方や金利など、クレジット社会に乗り出すための基礎教育が必要だ」と。小説の発行されたのが1998年なのに、2025年の今にも有効な主張だと思った。少なくとも韓国では、未だにそういう金融活動に関する教育を殆どしない。私も大学を卒業するまでもファンドが何か知らなかった。
話が少し変わるが、最近母のキムチ冷蔵庫が壊れ、新しい冷蔵庫を見に行った。故障したのはキムチ冷蔵庫だけだけど、今の冷蔵庫も結構古いから、母は下のように冷蔵庫、冷凍庫、キムチ冷蔵庫のセットが買いたいという。確かにお洒落だと思う。
最初は実物を見るだけのつもりで、家電量販店を訪ねたが、営業社員に説得され、写真と似たようなものを買うことにした。値段は三つ合わせて一括払いの場合53万円程。(計算しやすいように100円=1000ウォンにした)
問題はここからだった。ある互助会に月2.4万円を8年間積み立てると、40万円程が安くなるらしい。つまり13万円で買える。それに積立金は15年後にそのまま入ってくるという。
これってお得なのか?互助会じゃなく、銀行に同じ金額を積み立てた場合の利息はどれくらいなのか?銀行の利息が40万円より高ければ、お得だとは言えないだろう。
銀行の利息を計算するためには次の二つの情報が必要だ。
(1)月2.4万円ずつ8年間積み立てた場合の積立合計額
(2)(1)を8年目から15年目まで預金した場合の積立合計額
最近は元金や利息を計算してくれるサイトが多い。私は下のサイトを利用した。
まず(1)から。
韓国だと基本利率が2%程なので、それに合わせた。利息計算方法は、現在の銀行だと大抵単利なので単利にした。
すると(1)税引き後利息を合わせて積立合計額は245万円程だというのが分かる。
これで(2)をまた計算する。
15年後の積立合計額は約273.6万円だ。(韓国は利息に対する税率が日本より低い15.4%だからこれよりは多いだろう)
一方で、互助会を利用すると15年後戻る元金は2.4万円x12ヶ月x8年=230.4万円だ。
273.6-230.4=43.2万円の差がある。40万円の割引だと言っても、15年間銀行に貯金して得られる利息に比べると寧ろ少し損する。
勿論、今の40万円と15年後の40万円は価値が違う。物価が年2%ずつ上がると想定すると、今の40万円は15年後54万円の程の価値がある。特に一括払いができない場合、割賦利息を払うよりはこの互助会に積立てるのがましだろう。
しかし、この場合でも注意することがある。15年はそれなりに長い。15年間、人生に何が起こるか分からない。途中で貯まったお金が必要になるかも知れない。その場合、銀行だと該当年の利息分だけを損して元金はそのまま貰える。しかし、こういう互助会とか保険商品は違う。契約によって違うが、貯まった元金の半分も貰えない可能性もある。その場合の損失は極めて大きい。
結局、私達は互助会を利用しないことにした。営業社員は互助会の実績ができたら何か貰えるのか、しつこい位強く勧めたが、こっちが損しながら彼の言うことを聞く義理はない。
私が使った方法は、別に大したものではない。計算も無料サイトに任せた。それでも、どっちがいいのか良く知らず恐る恐る営業社員の口車に乗せられるよりはずっとマシだ。
大抵の人はクレジットカードを持ち、貯金をし、ローンを組んで家を買い、保険に加入し、年金を貰う。そういう時、何がいいものか、何を選ぶと損をするのかを知るのは大事だ。金融の基礎知識は数学とか、英語、AI技術なんかより、もっと大切だ。小さい時からそういう方面の教育がもっと沢山行われて欲しい。





