17日未明、愛知県豊川市の会社員・岩瀬一美さん(58)方で、長男が、同居していた家族ら5人を包丁で殺傷し、家に放火したとして、現行犯逮捕された。岩瀬さんと、孫の金丸友美ちゃん(1)が死亡。逮捕された長男の無職・岩瀬高之容疑者(30)は、15年間にわたって“引きこもり状態”で、豊川署によると、「インターネットの接続を解約されて腹が立った」と、動機を供述している。

 「インターネットを解約したのは誰だ」。暗い家の中を懐中電灯で照らしながら激高し、包丁で1歳の女児まで…。30歳の引きこもり男が、最悪の惨劇を引き起こした。

 豊川署によると、17日午前2時25分頃、岩瀬さんの近所の男性から「刺された女性が助けを求めてきた」と通報があった。署員が駆けつけると、岩瀬さん方から出火し、家族が負傷していた。署員は、近くの葬儀場内で血まみれでたたずむ高之容疑者を発見、現行犯逮捕した。

 家族のうち、岩瀬さんは首など4か所を、孫の友美ちゃんは額や腕など3か所を刺され死亡。三男・文彦さん(22)は軽傷だが、岩瀬さんの妻・正子さん(58)は10か所を、同居中の三男の内縁の妻・金丸有香さん(27)は17か所を切られ重傷を負った。友美ちゃんは、文彦さんと有香さんの娘。

 岩瀬さん方は7人が同居しており、次男(24)は当時、外出中だった。同容疑者は犯行後に2階の自室の布団にライターで火をつけ、家は2階を中心に半焼した。

 豊川署の調べに、同容疑者は「父親にネットの接続契約を解約され、腹が立った。家族を殺そうと思った」と供述。一美さんが事件の数日前、兄(62)に「(高之容疑者が)勝手に親のクレジットカードを使い、インターネットでゲーム機や雑誌を買っていたので、ネットをできなくした」と話していたことも判明した。岩瀬さんの家族は豊川署に「(高之容疑者が)ネットオークションの買い物で200万~300万円の借金がある」などと相談していた。

 近隣の住民は、高之容疑者について「約15年前から引きこもりだった。(中学)卒業後、姿を見かけたことがない」と話しており、中学卒業の頃から自宅にこもり切りで、ネットにのめり込んでいたとみられる。

 約1年前に三男一家が同居するようになってから、家庭内トラブルが頻発。今月13日未明には、家族から「高之容疑者が父の身分証を取り上げて返さない」との通報が警察にあった。高之容疑者が一美さんの身分証明書を持ち出し、銀行口座を無断で開設しようとしていたという。また15日朝には、高之容疑者と家族が「けんかしている」との通報があった。警察では殺人容疑で、事件の詳しい背景などを調べている。


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