自然栽培が大きく広がろうとしている素敵な活動をTVで特集していましたので、シェアします。 

“自然栽培の聖地”に 独自助成で就農支援 地方創生へ協定 石川県羽咋市 JAはくい
 
石川県羽咋市とJAはくいは、
地方創生の最重点政策に農薬も肥料も使わない自然栽培推進を据えた農業振興協定を結び、
「自然栽培の聖地」づくりに乗り出した。
JAが営農指導や販売、市が住宅・農地のあっせんや新規就農者への独自助成で後押しする。
2019年までに新規就農者50人、自然栽培面積100ヘクタールを目指す。

自然栽培の営農指導の拠点となるのがJAの「のと里山農業塾」だ。
『奇跡のリンゴ』で知られる木村秋則さんを講師に迎えたことをきっかけに11年に始まった塾で、
これまでに全国から300人以上が受講し、自然栽培推進の機運を高めることにつながった。

こうした実績を踏まえ、JAは「のと里山自然栽培部会」を15年3月に結成。
生産から販売まで一貫した体制を整えた。
自然栽培の価値を共有し、買い支えてくれる消費者や販売業者を求め、
都市部のマルシェやイベントに5年間で50回以上参加。
これまでに100カ所以上の取引先を確保した。
自然栽培の米は1キロ当たり400円で生産者から買い取り、通常の米の2倍の単価で販売し、完売している。

自然栽培は慣行栽培に比べ、病害虫などのリスクがある。
そこで羽咋市は15年度から自然栽培を始める青年就農給付金の対象者に給付金の1割(15万円)上乗せを始めた。
出荷を前提に自然栽培に取り組めば、10アール当たり2万円の助成も受けられる。
市内の空き家に住む就農者に2万円を上限に家賃を補助する制度も用意した。

JAと市が連携してサポートする体制で、同塾修了生ら10人が現在、米1・7ヘクタール、
野菜70アールで自然栽培を実践する。
昨年11月の協定締結を踏まえ、これまで以上に新規就農者を呼び込み、都市から農村への新たな流れを生み出したい考えだ。

同塾の畑には大豆や水菜、カラシナなどを混植した畝が並ぶ。
「大豆の根粒菌が豊かな土壌をつくってくれる」。
同塾専任の営農指導員の話に、大阪府から15年8月に移住してきた松本恭子さん(36)は耳を傾ける。
1年間、土づくりや栽培管理などを学び、自然栽培で新規就農する計画だ。

JAから農地を借りて10品目以上の栽培も始めた。
自然栽培の農産物を提供する料理店を経営することが目標という松本さんは「失敗も多いが、夢に近づいている実感がある」とほほ笑む。

JAの中村清長組合長は
「消費者が求める方向にJAも変わらなければならない。
能登半島の7JAで取り組む環境に配慮した能登米と合わせ、
世界農業遺産の能登の里山里海の風景を守っていきたい」と力を込める。
自然栽培を地方創生の柱に据えた山辺芳宣市長は「能登を日本のユートピアにしたい」と展望する。

https://www.is-ja.jp/hakui/rice.html

木村秋則「自然栽培実践塾」とは

「自然栽培実践塾」の背景と趣旨

明治維新時代の日本の農業は、世界に類を見ないほど発達し
「極東アジアの島国-日本で我が国でも成し得なかった循環型農業を実践していた」
と海外視察団に言わしめたほどであった。
しかしながら、戦後の日本農業は省力化,機械化,合理化等の思想趨勢によって農薬・化学肥料に頼り切った農業へと偏ってきた。
ここ石川県能登半島は、本州で最後の「朱鷺」の生息地であった。
その朱鷺のエサとなっていた「どじょう」は、農薬や化学肥料に頼り切った農業が引き寄せた土壌への汚染により絶滅してしまった。
蓄積農薬の生物濃縮は、プランクトンで265倍、小型魚類で500倍、野生鳥類で8万倍、
食肉食系魚類で8万5千倍という驚くべき数字が出ている。

しかもその頂点に存在しているのが、我々人類なのである・・・。

こういった現実を改善すべく、「自然栽培実践塾」は生まれた。

そもそもJA(農業協同組合)の存在は、自然栽培を目的としていない。
なぜなら農民に肥料や農薬を提供し、売上にしているから。売上が減少すれば、経営だって厳しい。

しかしなぜ今敢えてJA(農業協同組合)が「自然栽培」なのか?

日本政府が発表したTPP(環太平洋経済協定)への参加による農業衰退の懸念,
自由貿易による安価な他国大量生産の農産物輸入など、我が国の農業は脅かされつつある。

確かにこれらも理由の一つだ。ただし農林水産省などトップによる目先の見解にすぎない。

JAはくいは地元の羽咋市役所と手を組み、
土中微生物から昆虫・魚類・鳥類に至るまで本来在るべき姿へ取り戻すことを目的に、
「自然栽培実践塾」を導入することとした。
これにより生命力が強く、他国間との競合に負けない、
本当に安心で安全な国産の無農薬農産物を作り出すことで日本の現状を打破することも可能であろう。

再び朱鷺が大空を羽ばたくことの出来る「昔の里山」を復活させるべく、
国内に一人でも多くの賛同を得られるよう「自然栽培」への取り組みはまだスタートしたばかりである。


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