コリジョンルールの運用基準見直しについて、18日の後半戦スタートからの導入は見送られたとのこと、常識的なところだと思う。

野手が走路を防ぐのは野手のオブストラクション行為として禁止されているにもかかわらず、捕手が走者をブロックする行為についてはオブストラクションとは見做されず、放置されてきた。それを是正するため、オブストラクションと宣言するのではなく、そのままセーフとしてしまいましょうというのがコリジョンルールである。

何故、放置されてきたかというと、本塁に突っ込む走者を捕手がブロックして防ぐのがプロ野球の見せ場の一つとして考えられてきたからである。人間と人間の激しいぶつかりが金を出して見せるプレイの一つというわけである。見せ場の一つが無くなることにより、プロ野球の価値が低下することを恐れたプロ野球OBはこぞってコリジョンルール反対を主張した。例えば張本氏はサンデーモーニングで「こんなルールをよく作った。百害あって一利なし。」と再三、反対を唱える発言をし三度も喝を出している。
(最近、サンデーモーニングを観るの止めたので、その後の張本氏の発言については知らない)

コリジョンルールは必要なルールである。
昔は、走者・捕手ともに手加減なり、暗黙の了解でやっていい範囲、やってはいけない範囲があったかもしれない。それでも度々事故は発生した。一方、現在は、コンプライアンス重視の世の中である。野球界もそれから逃れるわけにはいかない。そうすると、厳密な妨害/衝突回避のルールが整備されず、妨害/衝突をすることに少しでも合理性があるということになれば、手加減なしで100%でぶつからないと、それこそ八百長行為になってしまうのである。
人間と人間の衝突をお客さんに見せている競技と言えば相撲である。しかしながら相撲は仕切り線の間の短い助走距離しかなく、また、両者が呼吸を合わせて立ち合いぶつかる。一方、野球の場合、走者の助走距離は10数メートルになるし、また、捕手はボールに気を取られており、走者に100%集中できない。野球を観に行ったつもりが、ついでに相撲も観れたというのはお客さんとしては得かもしれないが、危険極まりないのである。

そんなわけで私は今年から始まったコリジョンルールに大賛成である。問題があるとするならば、審判が最初からコリジョンでセーフとは判定せず、一旦、アウトと判定した後、ビデオ検証によりコリジョンでセーフと覆るところである。審判は捕手がコリジョン適用の位置にいれば最初からセーフと言うべきである。そして抗議があったとしても、捕手がコリジョンの位置にいたことに自信があれば、ビデオ検証はせず、抗議を退けるべきである。審判側の技術向上がおっついていないと言える。一方、中継プレイや捕手のタッチ技術などは、当初と比べてだいぶコリジョンに対応ができてきていると思う。選手側の方はルールはルールとして捕え着々と進化してきているのである。

このようなコリジョン対応への技術向上が着々と進んでいる最中に、中途半端な運用基準見直しは、それこそ「百害あって一利なし」ではなかろうか、と思う。