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1年生コンビの紙すき実験

小学校の夏休みといえば、「自由研究」ですよね。
今回、夏休みを利用して参加している小学1年生が二人います。
子どもの家では最年長でありみんなをとりまとめてくれる頼れるお兄さん。
そんな二人がどうやら”紙すき実験”についてをまとめてくれたので、紹介します。



先日、お伝えした「紙すきのカード作り」 。今回は、成功に至るまでの話です。

事の始まりは、シュレッダーのお仕事で出てくる大量の細長い紙が何かに使えないかという
思いから、高子先生が紙すきセットを貸してくれたのがきっかけでした。
紙すきが初めての2人。作り方を簡単にかお里先生から教わります。

1 シュレッダーから出た紙を水に浸しておく。
2 柔らかくなった紙を細かくする。
3 糊を混ぜる。
4 型に流し込み、乾かす。


このような流れなのですが、一枚の紙になるまでには、いろいろと試しながらの長い道のりです。
ミキサーがあれば、②は簡単に細かくできるけれど、船上にはありません。

さて、どうする、1年生コンビ?!

最初に紙をハサミで細かく切っておくことにしました。

リュウタくん、真剣そのもの!


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水に一晩以上浸しておくので時間もかかります。
朝、登園すると水に浸した紙がどうなっているか見て触って確認しながら、
「溶けてないね」「まだ、だめなのかなあ」などと話している2人。

かお里先生のアドバイスをもらいながら、とにかく細かくドロドロになるまで棒や手を使って
根気よく混ぜていきます。この作業も楽しそうな2人。感触がたまらない?!


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ドロドロになった紙に糊を入れます。
糊の量も決まっていないので、1年生コンビはどうしたでしょうか?

実は、これも気の長い話で、1回1回、それぞれ糊の量をスプーン1杯ずつ増やしていき、
最終的に「この量だ!」というところまで繰り返し作っていったのです。
糊が足りなければ、ボロボロになってしまい、多すぎると硬すぎて、書きにくいそうなんです。
実験を繰り返しているからこその気づきですね!

糊を入れた紙を型に流し込みます。


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スプーンを使って伸ばしていきます。
ここで厚みも調節するんですね。丁寧な作業をする、ユウキくん。


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ここから、完全に乾くまで何日も干しておきます。
1枚の紙ができあがるまでに、一体どれだけの時間が必要なんでしょうか??
乾いたことを確認して、そっとガーゼをはがしていきます。


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思うような紙に仕上がったかな??

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1年生コンビは、この紙すき実験についてを下記のようにまとめました。

【ひつようなもの(ざいりょう)】

・シュレッダーのかみ
・水(おゆでもOK)
・ざる・びん
・大きいかご
・ざる
・かきまぜぼう
・水のり
・スプーン
・人の手
・ガーゼ
・かみすき
・ミキサー(ラップとピッチャーでもOK)
・本
・コンセント(ミキサーをつかうなら)

                        

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【つくり方】

1ひつようなものをよういする
2 どろどろになったシュッレッダーのかみにのりをいれてまぜる
3 ざるにいれて水をきる
4 かみすきにスプーンでシュレッダーのかみをいれる
5 かみすきにガーゼをかぶせる
6 かたまったら本をのせる
7 なんにちかたったらかみをとって くにゃくにゃだったら水のりをいれて⑥~⑦を
くりかえしあながないかたしかめる
8 かんせい                   


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後日、子どもの家の友だちに教えていました。


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まるで研究者のような二人。
ゆっくりと進む船内の時間と子どもの家の環境だからこそ出来た研究でしたね。
試行錯誤しながら力を合わせて完成させた体験は、きっと心に残る達成感につながったことでしょう。

end

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2014年7月出港の「ピースボート子どもの家」、参加者募集中!


第84回ピースボート「地球一周の船旅」で開催する「ピースボート子どもの家」、参加者募集中です。


●公式サイト: http://pbkodomonoie.jp/  (映像で船旅の様子をご覧いただけます)


今回も、子どもは定員15名。東周りの航路で、最初の寄港地はハワイイ、その先はエルサルバドルから中南米へと向かいます。2歳から6歳の元気な子どもたちの参加、お待ちしています!

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日常生活の練習

今回は、子どもの家の保育について紹介します。

「モンテッソーリ教育」と言われると、「教具」を思い浮かべる方が多いかもしれません。
(「教具」とは、子どもの発達を助けるための教材であり、“日常生活” “感覚” “数” “言語” “文化”の
5領域に分かれ、それぞれひとつの目的を達成するために使われています。)
なかでも、“日常生活”は、子ども自身の身づくろいに関するもの(着る、脱ぐ、顔や手を洗う、
髪の毛をとかす、靴を洗うなど)と環境への配慮に関するもの(床掃き、机洗い、洗濯、
食器洗い、植物の世話など)に大きく分けられ、この“日常生活”の仕事が、子どもの肉体的、
精神的、道徳的な面から、全発達にとって大切なものはないといわれるほど、重要な領域でもあります。
そして、子どものサイズに合った道具を用意し、自分で取り出して終わったら元に戻すことが
できる環境をつくることで、家庭でも取り入れることができるモンテッソーリ教育なのです。

さて、子どもの家では、どんなことが行われているのか、少し紹介したいと思います。

机の上に消しゴムのかすが落ちていました。
ちりとりとほうきで掃除をする、サアヤちゃん(2歳)

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石鹸をブラシにつけて机を洗います。
泡をふき取っている、ハルカちゃん(4歳)


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リリイちゃん(3歳)は、洗濯板を使って汚れた雑巾を洗っています。
泡立つ様子が興味深いようで、この日は2時間も洗い続けていました!


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自分の履いてきた靴も洗います。きれいになったのかな?と確認している、キコちゃん(2歳)

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みんなのコップを洗う、モモちゃん(6歳)


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子どもの家で使うコップは、陶器です。
子どもの家では、陶器やガラスといった、注意深く扱わないと割れてしまうものを使用します。
もし割れてしまったら、次にどうしたらよいのか、子どもが考えるきっかけになるのです。
そして、ものを大切に使うということも学んでいきます。


観葉植物に水やりをする、キオくん(2歳)


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ゴムの木の葉を拭く、タロウくん(3歳)


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水がこぼれたときには、自分で後始末をします。
いつも決まった場所に雑巾が用意されているので、最年少のサリイちゃん(2歳)も
自分で床用雑巾を取に行き、拭いていました。


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おやつの準備もします。
包丁を使うのも初めてという子もいましたが、回数を重ねるごとにだんだん手つきも慣れてきました。

トマトを切る、リュウタくん(7歳)


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りんごを切る、ココちゃん(6歳)


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オレンジを切る、シンちゃん(5歳)、
切った果物をトングでお皿に盛りつける、サリイちゃん(2歳)


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最近、大きい子が年下の子に教えている場面をよく見られるようになってきました。
保育士が言わなくても、自ら進んで教えてくれているのです。
これもまた、異年齢クラスの良い一面ですね。

洗濯の仕方を教わる、アンちゃん(3歳)と先生役のシンちゃん(5歳)


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さて、“日常生活”において一つ大切なポイントがあるのです。
これらの活動は、全て真似事(ままごと)ではなく、本物であるということ。
そして、この活動も見せかけではなく、現実の環境の中で実際に行われているということです。
保育士が、“洗濯をするための布”を準備してるわけではありません。
おやつのときに、お茶をこぼしてそれを拭いた雑巾が汚れたから、子どもたちは洗うのです。
机の上にゴミが散乱していたから、ちりとりとほうきで掃くのです。

モンテッソーリ教育では、「現実のこと」「本当のこと」に触れることを大事にしています。
そして、ままごとではない本物のお仕事をしている子どもたちは、真剣な表情で集中して取り組んでいるのです。


end


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2014年7月出港の「ピースボート子どもの家」、参加者募集中!


第84回ピースボート「地球一周の船旅」で開催する「ピースボート子どもの家」、参加者募集中です。


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今回も、子どもは定員15名。東周りの航路で、最初の寄港地はハワイイ、その先はエルサルバドルから中南米へと向かいます。2歳から6歳の元気な子どもたちの参加、お待ちしています!

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【寄港地お話会】~スペイン・ガウディのお話~

旅をするとき、大人にはガイドブックがありますが、
子どもだってある程度、訪れる場所のことを知っておきたいもの。
見通しがたてばワクワクや安心感にもつながるのは、大人も子どもも同じです。

ピースボートの洋上では大人向けに「航路説明会」というのを開催していますが、
子ども目線に立って”子どものための”「寄港地おはなし会」を参加者のお兄さんお姉さんの手を借りて、
子ども達に訪れる国の文化や食事などについてお話をしたり、国旗や写真を見たりして紹介しています。

スペイン(バルセロナ)寄港前に、ガウディについてのお話し会を『でらっち』と『福ちゃん』が
開いてくれました。


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まず、これまでにみんなが訪れた寄港地を地球儀でたどります。

「今どこにいるかな?」

「次のスペインはどこだかわかる??」と聞かれて、

「わかるよー!」と言ったのは7歳のゆうきくんとスペイン出身の子どもたち!

※このヨーロッパ区間だけ4人の新しいお友達が子どもの家に参加していました。


「国旗の意味は??」

「う~ん。。」みんなで考えてみます。

でらっちが調べてきてくれてわかりやすく教えてくれました。



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次に、福ちゃんが似顔絵を出して紹介したのはガウディさん。


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(逆行で写真が見えづらいですが、中央がガウディさんの似顔絵です)

「ガウディさんは、自然が大好きだったんだよ。キノコとか植物とか、自然をお手本にして、
 他の誰も考えつかないような建物をたくさん作りました。
 だけど、窓や柱が丸かったり、誰もみたことがないような建物を作るものだから、
 最初は周りの人に、その素晴らしさをなかなか理解してもらえなかったの。
 でもそのうち、グエルさんという人がガウディさんの作った建物を気に入って、
 グエルさんが協力してくれたおかげで、ガウディさんは建物を作り続けることができたんだよ」

とガウディさんの人生のお話と、サグラダファミリアのお話をしてくれました。


「じゃあ、次はガウディさんの作ったものを紹介するね」 とお姉さん達が見せてくれたのは・・・。 

グエル公園のモザイクの『トカゲのモニュメント』です!

「これ何に見える~?」と聞くと、「トカゲ!」とすぐに応えが返ってきます。

実際のトカゲのモニュメントはタイルのモザイクでできていますが、
それを折り紙のちぎり絵で表現しました。

「ほんとはいろんな色のタイルでできてるんだけど、折り紙で作ってみたよ」
と子どもたちに紹介します。
グエル公園のモザイクでできたカメレオンもみんなで目で見て、後日この枠だけのカメレオンに
モザイクで折り紙などで作ってみてね~♪と、まだ色のついていないカメレオンの紙をみんなにくれました。


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後日、自分の目で実際にカメレオンを見てきた子どもたちは写真を見ながらモザイクの
カメレオンを完成させたのでした♪


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end

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第84回ピースボート「地球一周の船旅」で開催する「ピースボート子どもの家」、参加者募集中です。


●公式サイト: http://pbkodomonoie.jp/  (映像で船旅の様子をご覧いただけます)


今回も、子どもは定員15名。東周りの航路で、最初の寄港地はハワイイ、その先はエルサルバドルから中南米へと向かいます。2歳から6歳の元気な子どもたちの参加、お待ちしています!

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