記事の長さ:おにぎりおにぎり

 

 

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 お洒落でかわいい表紙ですね! こんな手帳があったら欲しいなぁって(笑)
 ――手に取ったときの最初の印象がそれでしたが、手帳感はあながち的外れではなくて。性格が真逆なふたりの女子高生の、手紙のやり取りをそのまま記していったものです。
 年齢的にまだ幼い感じの、手紙のやり取りのみが書かれていて。最初は、小説としては斬新で、ストーリーが成立するのものなのかな? と半ば不安な気持ちもなくはなかったのですが(笑)、と言い表すのはプロの方にだいぶ失礼な話でして。女子高生の手紙のやり取りだけで、“女子高生”に特有な感じが出つつ、日々の出来事にストーリー性があり、思わずどんどん読み進めていくものでした。
 女性の同性愛の物語で。ふたりは一度交際をするのですが、幼さなどもあり、いろいろあって別れることになり。
 その後、大学時代、40代と、ふたりは一度も顔を合わすことはないものの、手紙のやり取り、そしてメールのやり取りを、途中嫉妬ゆえに疎遠になりながらも続けていき。片方は男性と結婚してしまいますが、そこには、ふたりの変わりない愛が描かれています。
 
 
 
 
 
 
 同性愛が特別にどうこうというよりかは、人生で最も愛した人が、たまたま同性で。その人と巡り会って交際したのが、たまたま精神的に未熟な頃で。
 大人になってからふたりが出逢って惹かれ合っていれば、決裂することなく生涯のパートナーになっていたかもしれないし、はたまた、けっきょく子供欲しさにお別れしてしまうことになっていたかもしれないし。
 どのみち子供みたいな頃に出逢うより、選択の幅も広かったでしょうし、その中には、「女だから」「同性だから」という要素も、薄くなっていたかもしれません。
 そんな、ある意味では不運なお話で。
 ラストは、いい気持ちにはなれませんでした。
 逆になんのためにここまで読んできたんだ? と思っちゃうような。ラストに意味があるのではなく、経過にこそ意味や感じ取るものがあるわけだけど。
 ラストに劇的な展開を求めていた人には、確かにショッキングだよなぁ、と。一冊で完結するタイプの本にしては長かったから、余計に。
 ネットのレビューは賛否両論あり、共感できない人には共感できないものかもしれませんが。
 それこそ、作中で主人公が言っていましたが、「運命の人に出逢ったことがない人には分からない」という。
 
 
 
 
 

 

 

 

 

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