記事の長さ:ハイビスカスハイビスカス

 

 

----------やしの木---トロピカルカクテル---やしの木----------

 

 

 
 
 
 変わった印象、独特な感じの物語だなぁ、というのが、序盤の感想でした。話がどう進んでいくのか全く想像ができず、テーマも序盤では分からず、探り探りみたいな気持ちでした。
 最後まで読めば、テーマや物語の面白さはよく分かるんですが、今まで読んだことのない雰囲気のもので、入り込むのに時間がかかりました。
 
 
 大学時代の頃の思い出を引きずったままでいる、30代の人たちのお話で。それで共感が全然できなかったっていうのもあります。
 私は決して華やかな大学時代を過ごしたわけではなく、おまけに女子大だったから、忘れられない恋の思い出とかもあったわけではなく。むしろ、大学時代そのものが黒歴史だな。だから、大学時代を美化して10年以上経った今でも執着し続ける大人、に心を動かされるわけでもなく。
 世の中にはそういう人もいるんだなぁ、みたいな、他人事な感じで。
 けれど作品の中には、そういう人たちのことを理解できない、という感じの20代の主要人物も出てきて。むしろその人たちのほうが私は共感できるなぁ、と。
 
 
 私がまだ20代ということもあり、あの頃に戻りたい、あの頃のほうが良かった、という感覚が持てない。本当に、自分の過去が苦手だと思う。
 でも、「あの頃に戻りたい」と感じる登場人物たちも、自分の過去を良く思っていなかったりする。そこに共通点があるのは、不思議だと思いました。
 
 
 
 
 
 あと、もうひとつ感じたのは、結婚って何? なんの得やいいことがあり、なんのためにするの?? と。
 どうもこの物語では、結婚は良いものとしては描かれていない。結婚の何がいいのか、と思っていた主人公も、過去の恋愛から脱するために結局結婚する。でもその結婚に幸せや楽しさを感じていない。
 
 
 うーん、なんだかなぁ。
 結局、どんな過去であれ、今の自分を受け入れて、現状を維持して生きていくしかない。そのために必要な形態であれば、結婚はするだろうし。そんな印象でした。
 
 

 

 

 

 

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