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最初、児童書かと思いました(笑)
表紙が綺麗ですね💡
父親が問題を起こし、芸能事務所の人に追われることになった母と、小5の息子のお話です。
逃亡する女性の物語と言えば、角田光代さんの印象が強いです。角田さんの場合は、現実から逃げても結局どうしようもなかった、最後は捕まる、という、リアリティーなものを読むことが多かったです。
だけどこちらは、ファンタジーでした。
現実的に考えると、こんなふうにあちこち逃亡できるわけがないし、いつか捕まるでしょう。
それを地元の人たちが毎回支えてくれるっていうのも、かなりできすぎていますが。
つらい現実から逃避することによって、必ずしもこんなにもいい結果を生むというわけではないでしょうが。
それでも、こんなふうな世界がないとやっていけないことってあると思います。
現実では、誰もそう簡単には助けてくれないかもしれないけど。でもきっと、逃げることによって希望を持つことができる、そんな世界が存在することが支えになる場合も、あるのではないかと。
今の私は、そういう状況ではなくて。
だからあんまり入ってこなかったんだろうなぁ~。
逃げても何も変わらなくて、逃げずに立ち向かっている最中だから、綺麗事のようにすら感じました。
なんか、追われているつらさ、金銭的な不安感、そういうネガティヴな要素があまり伝わってこなかった。
逃亡で苦しい思いをしたということよりも、その先にある人の温かさのほうが強調されていたのかも。
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