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1ヶ月ほど前に読み終わったのですが、忙しくて日記に感想を書き留めておくこともないまま日が経ってしまい、細かいところは覚えていないのでご了承を m(_ _)m
大人になると、なかなか友達ってできません。同じ学校に通っている付き合いとして会っていたものを除くと、プライベートでも会うような間柄の友達が最後にできたのは、8年前ですかね。もう10年近くお友達ができていませんし、この先も余程環境が変わることがない限りできそうにもありません。
特に女性同士の交友関係は、時にぎすぎすしたものも多い。
学校だとスクールカーストとか、ママ友でもボスとかいるそうですし。職場でも、結婚してるだのしてないだので、謎の上下関係があるでしょう。
私の職場は幸い穏やかですが、女性同士の嫉妬や嫌がらせに耐えかねて前の職場を辞めた方も。
主人公の30代女性は、内向的で友達を作るのが苦手で、娘もそういうふうになってほしくないと保育園に入れるために働き始めるのですが。
大人になってから、本当の友達、親しくいろいろ話せる友達を作るのって、本当に難しいことですね。
女性同士の、リアルな人間関係が描かれているものの、やはり逃亡劇は小説ならでは・・・と言いたいところなんですけど、完全にはファンタジーにならない、現実逃避ですらやはりどこか現実味があるのが、角田光代さんの描き方なのでしょう。
この方、よく女性を逃亡させますが(笑)
逃亡の経緯などは現実味がありますが、現実から逃げ出したくて実際に「逃げてしまおう」と行動に移すことは、やはり非現実的で。なかなか、いろいろなことを考えてしまって、できないでしょう。かかる費用とか、仕事をすっぽかすこととか、家族のこととか。
でも、そんなの気にせず逃亡しちゃいたい、とふと思ったことがある方は少なくないでしょう。
けれど現実ではそれができない、代わりにそれを小説の中でしてくれる。
この作品では、逃亡したのはふたりの女子高生でした。
子供となると、学校や家のことなんて考えないでしょう。お金のことも、元々大金を所持していれば、きちんと考えないでしょう。
けれど誰だってそんなことをしちゃおうと思うわけではなく。特にこの年頃の子たちだと、大人から見れば大したことのないようなことでも「家出したい」と思っちゃうでしょう。思ったところでできなかった、そんな人が大半でしょう。
結局、彼女たちは、逃亡したところで何も得れなかったし、何も変えることはできませんでした。
そういうむなしさも含めて、やはりそれが現実なのでしょう。
どんなに逃げ出したくなって、本当に逃げ出しちゃったとしても、それが必ずしもいいことにつながるというわけではない。
どんなにつらいことがあっても、前を向いて生きていかなければならないのでしょう。
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