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----------クリスマスベル---トナカイ---クリスマスベル----------

 

 

 ハイビスカス
 
 
 クリスマスデザインに常夏の花という、謎のギャップになってしまいましたが(汗)
 この作品、数年前に地上波で映画版を観た覚えがあるのですが、内容を全然覚えていなくて。というのは、小難しくて頭に入ってこず、途中で集中力もなり、なんともまあ、酷い見方をしたという記憶があるものでして・・・。
 ガリレオシリーズ、好きなんですがねぇアセアセ
 
 
 なんにもネタバレが頭に入っていないという、まっさらな状態で読みましたが、やはりこれは、文章で読んだほうが理解できると思います。
 自然保護活動をしている女性がこの物語のヒロインなのですが、環境破壊、海底資源うんぬんのところが、耳慣れない言葉のオンパレード。映像で観ると、確かに、ちょっと気が散ってしまうストーリーではあるかも。。。
 まあ湯川先生が出てくるので、他のミステリーより複雑な科学的なものは出てきますが、その全てを読者が理解する必要もなく、もちろん私も理屈を理解できていないですが。
 だけどその一部が、この物語のキーとなる。
 素人が、いや、科学的なものを理解できるような人でさえ、そのキーを抑えつつ犯人を解き明かすことは、無理でしょう。
 それほど意外性があり、結末は信じられないもの。
 だけど、理屈としては、本当に簡単なこと。素人でも、確かにそれだったら、本当に死ぬかどうかはさておき、健康に被害が出るよなぁ・・・と想像できる。
 この、「本当に死ぬかどうかはさておき」というのもまた、少し重要ではある。
 確かな殺意はない。だけど、死ぬことを前提として意図的にそれを行った。
 殺人は悪ではあるけれど、大切なものを守るために、そうせざるを得ないと思ってしまった。
 
 
 
 
 
 登場人物ひとりひとりが、心情が分からないくらい、というか、想像しようとするとしんどくなるくらい、つらいもので。でも、イヤミスやアンハッピーエンドじゃない。
 そういうふうにならなかったのは、想像を絶するようなつらい心情になっていたとしても、ひとりひとりにほのかな希望があるから。
 例えば、一番不憫なヒロインは、彼女のほうはなんとも思っていないとは言え、遠くないところから支えてくれる男性がいる。
 この男性、存在しなくても物語になんの支障もないな、むしろなんでそういう人の視点で書かれているシーンもあるんだろう、と途中ちょっと思ってしまっていたんですが。だけど彼がいなかったら、なんの救いもない残酷な終わり方、と言っても過言ではない。
 
 
 他の主要人物に、小学校5年生の男の子がいるのですが、彼の心を支えるために伝えた湯川先生の言葉が、大人の私でも心を打たれるものだった。
 むしろ、小学生にはまだ難しいと思う。だけど、小さい頃にこんな素敵な言葉をかけてくれる人と巡り合えるというのは、その後の人生を大きく左右するものだと思うし、どんなに年を重ねても、多感な頃に得たそれのおかげで心の持ちようが変わってくるものかもしれない。
 台詞の前半は割愛します。科学の進歩を止めてしまうのは人間だ、という話。人間の脳が成長しないと新しい現象を発見することもできない、といったもの。
 そして後半。
 
 
 「どんな問題にも答えは必ずある。だけどそれをすぐに導き出せるとは限らない。人生においてもそうだ。今すぐに答えを出せない問題なんて、これから先、幾つも現れるだろう。そのたびに悩むことには価値がある。しかしあせる必要はない。答えを出すためには、自分自身の成長が求められている場合も少なくない。だから人間は学び、努力し、自分を磨かなきゃいけないんだ」
 
 
 
 
 
 誰にも、悩み事はあるでしょう。悩んでいるときは、本当につらいことだと思う。出口のない暗いトンネルをさまよっているような、そんなつらいものだってあるでしょう。だけどそこから出るためには、成長しなければいけない。逆に成長できれば、明るいゴールへとたどり着くことができる。
 そしてそのトンネルをさまよっている期間こそが大事なものなのでしょう。
 
 
 
 
 

 

 

 

 

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