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 2年か3年か、何年待ったか覚えてませんが(笑)、ようやく予約なしでも借りられるようになりました!
 図書館に入った当時から読みたいと思っていたのですが、いつ見ても、「又吉直樹」の札しかなかったんですよね^^;
 
 
 私は、読書は子供の頃から好きなのですが、純文学は苦手で。大学の純文学を読む講義も苦痛でした。ですがこちらは、割にさくさくと読めました!
 どうもそれが、賛否両論あるみたい。本当に純文学が好きな方からしたら、こんなの純文学ではない、と思うようですし、「文体が後半になるにつれて変わっている。前半は無理をしている」というレビューは、言われてみればそんな気がすると私でも思う・・・。
 1ページ目がすごい取っ付きにくくて。純文学らしい文章で。でも2ページ目以降は、取っ付きにくさがなかったし、物語が後半に行くにつれて読むスピードが上がったのは、もしかしたらそのせいかもしれない。
 ですが、純文学にこだわることなく、あくまでひとつの作品として、面白かったです。これが、芥川賞ではなく直木賞のほうで受賞されていたら、また違う評価をされていたのでしょうか。違うふうにたたかれていたのかと思うと、それは本の批評としてはなんだか違うような。。。
 
 
 
 
 
 芸人の主人公が、ある芸人を師匠として、彼の伝記を書くことになった物語ですが、「主人公」はもしかしたら師匠のほうなのかも。
 人によっては受け入れがたいほどの強い個性の持ち主で、人情があるけど誤解を招きやすく、芸人を志したがゆえに、とても生きにくいような人でした。彼のコンビ名を、二葉亭四迷を連想させるのは、さすが文豪好きの又吉さん(笑)
 フィクションだからパンチがあるんですけど、現実であんな人がいたら、本人も周りもやってられないと思う。というか、ありえない。最後、すごいのぶっこんだなぁ、と思いました。現実でそんなことをする人を見たことがないから、イメージができなかったです。「え? こんなところで終わっちゃうの??」って。描かれないところでこれからも彼の人生は続くのでしょうが、最も社会的に生きにくい様まで落ちたところで終わっていて、話の続きは想像にお任せします的な感じだとしたら、私は想像できないですね・・・。
 でもそういうところも含めて、彼のリアルでは生きにくい人柄なんだと思います。
 
 
 対して本当の主人公、そのぶっとんだ男を師匠とする男は、なんとなく又吉さん本人がモデルなのではないかと思いました。
 又吉さんのこと、よく知りはしませんが、なんというか、ああいう芸風の方がお笑い芸人として売れるのって、すごいことなんだと改めて思いました。
 売れたバージョンが又吉さんで、売れずにやめることになっちゃったバージョンが作中の人物なのではないかと。
 両者になんの違いがあるのかは、又吉さんにしか分からないですがね。
 
 
 文体は、聞いたことのないような小難しい単語もありながら、独特な言い回しもあり。そして、芸人とは何か、について考えさせられました。
 師匠の言うことが必ずしも正しいとは思えないけれど、ひとつの機会として、考えさせられました。
 私は芸人になりたいとは一度も考えたことはありませんが(笑)、ステージで観客を笑わせて金を稼ぐ人だけが芸人ではないように思います。例えば、こうして日々ブログを書く人でも、読んでくださった方に「面白い」と思っていただければ、それはある種の「芸人」なのかもしれませんね。
 ツイッターでもラインでも同じこと。友達同士の談笑も。
 どんな方法であれ誰かを楽しませることは、ありふれているけれど尊いことなのかも。
 
 

 

 

 

 

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