こんにちは。昨日は突然雷雨が襲ってきてびっくりしました。気候の変化が大きい時期ですね。私は避難バッグの中身を点検し直しました。もしもの時に備えるという視点を忘れずに、日ごろから取り組んでいきたいものです。
通帳の中のお金の流れを確認する方法に続いて、今日は遺言を作る際の預貯金の考え方について見ていきましょう。
通帳を確認して、皆さんはどのような感想を持たれたでしょうか?
自分はこんなにたくさんの銀行口座を持っていたんだ
預金額の現状がわかった。
銀行での収入と支出の流れがわかった。
通帳の資金の流れをみることで、定期的な支出の額がわかった。
こんなふうに感じられた方も多かったのではないでしょうか。
遺言を作る前に、現状の預貯金について確認していただくことには、2つの効果があります。
一つ目は「現在の預貯金額を把握し、今後の資金計画、ライフプランに活かせるという効果」
二つ目は「口座ごとの性格を理解して、遺言での財産配分を考えることができるという効果」です。
遺言を作成する過程で、財産以外のご相談やご質問をいただくことも多いですが「先のことは具体的に想像したり、考えられない」という感想を持たれる方が大多数です。確かに、1年先のこともわからない現状で5年先、10年先、20年先の自分のことを考えることは容易ではありません。
しかし、預金などの現状を、自分の目で確認することによって「自分はこうしたいんだ。これが気がかりなのだ」と気づかれることがあるのです。これが一つ目の効果といえます。
例えば、「現在、預貯金額は○○万円ある。自分は一人身なので、70歳になったら見守りのある住居に引越したい。それにかかる費用はどれくらいだろう?そんな住居や施設のスタイルがあるのだろう?」というように、具体的に考え始めることができるようになる方もいらっしゃいます。
また「家族が離れて暮らしているので、自分の近くに相談できる人が欲しい。認知症になったという不安があるけれど、どうしたらいいだろう?費用はどのくらいかかるのだろう?」と、その方策について調べ始める方もいらっしゃいます。
「歳を重ねて、誰かにSOSを出すとき、自分は誰に声をかけるだろうか。子どもたちに自分の老後のこと、不安を話しておこう」と家族との話し合いを始める方もいらっしゃいます。
「自分の財産額を確認して、相続税の対策を今から始めよう。誰にどうやって、どのくらいの資産を渡していきたいか。相続税について税理士に相談してみよう」と行動される方もいらっしゃいます。
「昔作って今はあまり使っていない預金口座が意外にもたくさんあった。もし自分がこのまま亡くなったら、相続手続が大変だと気付いたので、遺言作成を機に口座の整理をしようと思う」と行動を始める方もいらっしゃいます。
生活をしていくうえで、お金は切り離せないものです。日常生活でも、住まいでも、介護でも「自分はこうしたい」という希望と、実際にそれを実現できるかという資金面のすり合わせが必要になります。
預貯金額を確認することは、ぼんやりとした将来を今にググっと引き寄せて考える時間を作る効果があるのです。
そして、二つ目の効果が「口座ごとの性格を理解して、遺言での財産配分を考えることができる」こと。
遺言作成の際に、突き当たる問題の一つに「将来の預貯金額が予想できないので、財産の配分をどのようにすればいいかわからない」というものがあります。
例えば、妻には自宅とその敷地を。長男にはA銀行とB銀行の預貯金を。二男にはC銀行の預貯金を相続させたいと考えたとします。
遺言作成時点で上記のような配分を遺言書に明記したとしても、将来、自分が亡くなった時にA銀行、B銀行、C銀行の口座にいくら入っているかはわかりません。突然の大きな支出があるかもしれませんし、自宅などを売却して現金化し、銀行に預け入れたことによって大幅に預金額が増えることなども考えられるでしょう。そうすると、遺言者の希望とは異なる財産配分になってしまう可能性があるのです。
このような場合に「口座ごとの性格を理解すること」の効果が出てきます。
遺言作成の段階で、通帳の確認を行い「A銀行の普通口座は日常の生活費や光熱費、クレジットカードの引き落としなどで額の移動が多い。B銀行の口座は、病気やもしものときに備えて資金を移動させずに寝かせてある。C銀行の口座は親の相続の時に譲り受けた財産を定期にして持っている」とわかったらどうでしょうか?
口座の性格を確認することで、資金額の流動の少ないB銀行、C銀行の口座については、今後の額を予測することが比較的容易です。
不動産など、預貯金以外の財産も含めた全体の財産を洗い出し、そのなかで希望する配分を考え、その配分を実行するための遺言の記載方法を考えるという視点が重要といえます。変動の可能性も踏まえて、考えるということを忘れずにいたいものです。
もちろん、自分の書いた遺言によって、その後の生活を拘束する必要はありません。
預貯金についても、大きな変動を必要をすることも出てくるでしょうし、遺言作成時に考えていたライフスタイルと異なる事態も生じてくるでしょう。その際には「以前書いた遺言を見直して、遺言書の記載で財産配分に大きな変化はないか。争いのタネとならないか」見直す時間を定期的に作り、大幅な変更があった場合には、遺言の書換えを検討することが大切です。
患者さんのための医事代理人 Patient Advocate Japan
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