神社の中は、これまた博霊神社と似たりよったり。


僕達四人は、コタツで雑談会を開いた。


色々なことを話した。


現実の世界の事を、こうも多く話したのは、この世界にきて初めてだ。


幻想郷の人間は、僕の話を聞いて、誰もが首を傾げただろうな。


・・・数日前にここに来たばかりなのに、もう、手の届かない、遠くにあるように思えてくる。


「僕は、医学生だったんだ」


「えぇ!?医者を目指していたんですか。すごいですねぇ・・・」


話せない内容の方が多いが、なんとかカバーしようと思う。


「へぇー医学生なんて偉いねぇ。それで、今の日本はどんな感じなんだい?」


この人達は、いつ頃の日本を知っているのだろうか。


「今は百年に一度の大不況で、就職率がすごく下がってるんです」


「へぇ・・・・。百年に一度ね。私達は、その一度に出くわさなくてよかったな」


それは、僕にとって嫌味にしか聞こえない。


「でも、看護師とか、医者の学校に通っていれば、必ず医学関係の仕事に就けるんです。いつものことだけど、医者不足ですから」


神奈子はうんうんと頷いた


「私達がニホンにいたときも、医者不足だったよ」


「本当に懐かしいね」と何かを思うように天井を見た。


諏訪子はというと、話について来てないのか、コタツに寝転がってつまらなそうな顔をしていた。


「じゃあ、なんであんたはこの幻想郷に来たんだ?」


その質問は絶対来ると想いながらも、少し来てほしくなかった。


「紫の穴に落ちたんだ」


三人は視線を僕へと集中させた。


「紫の穴に落ちたって・・・あんた現実の世界の人間でしょ?・・・・・・・もしかして、霊が見えたりする系?」


「神奈子様と諏訪子様見えている時点で、それなりの力があると想いますよ」


「あぁ、そうか」


ははっと軽く笑って、咳き込んだ。


まるで、今から演説でもするようだな。


「確かに、そっち関係の力があることは言えるな」


早苗言うまで、気付いていなかったのに・・・。この人、どこか抜けているな。


早苗が言ったこと・・・・この二人は、幽霊かなんかなのか?


「しかし、紫の空間の切れ目は、例え力があったとしても、見えるはずがない。あるとすれば、この幻想郷に住んでいたと考えられるけど?」


抜けているとはいえ、さすがに鋭い。この人も、早苗や霊夢のような、力の持ち主なのか?


「まぁ、確実にとは言えませんけど、所々、僕がここに住んでいたような節が見つかりますね」


「ふむ・・・そうであるなら、頷けるな」


僕は、一番肝心なことを聞いてみた。


「あの、神奈子さんと、諏訪子は、何か、幽霊か何かなんですか?」


「あぁ、言ってなかったね。私は、この神社の神様さ」


「え?!」


「私は、祟り神だよ」


一瞬にして顔が青ざめそうだ。 なんと・・?神様と同じ位置に・・僕がいるのか・・・。


・・・・・祟り神もいるのか・・・、祟られてないよなぁ。


「あなたには、変な力がこびりついていて、祟れない」


「そもそも、祟らないでくれ、祟るようなことしてないでしょ!?」


嫌なことされたーとかならわかるけどさ・・・。



それから、楽しい雑談が続いた。


一つ、重要な事は頭から抜けて


end

 

ほのぼのとw