ナズーリンは集中していて、話はできそうにないので、チルノと昔のことについて話した。
チルノと出会ってから、僕はよく、チルノのところへ行っていたらしい、そして、妹の元へも行った事があると言っていた。
昔のことについて話すチルノは、なぜか輝いて見えた。
本当に懐かしいと言っていた。
僕がいなくなってから、結構、寂しかった・・・とも。
「なんで、あたい達が最強のコンビか、しらないでしょ?」
そう、チルノが切り出した。
一昨日の夜、チルノが言っていた「最強のコンビ」 確かに、疑問に思える。
「あたいとあんたが出会ってから、四日ぐらい経った時だったかな、人間の里に、妖怪が攻め込んできたのよ」
人間の里に・・・妖怪が・・・?
「あたいとあんたと、あんたの祖父母で、その妖怪達をやっつけたの、だから、あたいとあんたは、最強のコンビなのよ!」
そうだったんだ・・・・僕とチルノは、人間の里を守ったんだ。
僕は、人の役に立てたんだ。 心が少しだけ、温かくなった気がした。
「いつまでも、最強のコンビで、いられたらいいな」
「そうだね」
二人で笑顔を交換しあった。
「お二人さん、仲良いところ悪いけど、ここがリュックがあるところ」
視線を前方へと向けると、高い山が青空へと続いていた。
ん・・・この山・・・・・。どこかで・・・?
「主、この山には妖怪が多く住むし、外部の妖怪には警戒心が強いのよ。だから、危険・・・」
つまり、顔見知りがこの中にいればいいってことか?
「確か、魔理沙と霊夢がこの山へ登ったことがあるはずだわ。主は飛べないから・・・チルノ、行って来てくれないかな?
「あたい、この山には何度か入ったことあるけど」
なんか、心配だな・・・。
「じゃ、入ってみるよ。私も参戦するつもりだけど、ダウンジングしてるから、そこのお二人さんでよろしくね」
さっき話した、最強コンビの出番だ。
だけど、僕はどうやって妖怪を倒したんだろうか。僕には、癒しの力しかないっていうのに。
「僕には、攻撃する能力がないから、チルノに負担がかかるかもしれない」
「あたいは最強だから、ラクショー!」
三人で、山の敷地へ一歩入ろうとしたところで、狼の耳と尻尾を生やした少女が出てきた。片手には刀を持っている。
「そこの二人の妖怪は、この山を登る許可が下りている。そこの人間、見ない顔・・・。怪しい」
刀を僕に向けて、僕だけは通さない気だ。
「ナズーリン、僕はここで待ってるから、チルノと二人で探してきてくれないか?僕がいなくなっても、チルノがいるから大丈夫だと思う」
「わかったよ」「あたいに任せて」
僕の意見に反論もせず、二人の姿は森林へと消えていった。
残った僕達には、不穏な空気が流れていたものの、なぜか、狼の尻尾が揺れていた。
なんで、尻尾が揺れてんだ・・・?
・・・・・もしかしたら・・・!?
end