翌日


朝食を三人で食べていると、魔理沙が空から降りてきた。


「あ、魔理沙!・・・・てことは、もしかして!」


霊夢がそう言うと、魔理沙がグッドラックポーズをした。


「あぁ、連れてきたぜ、ナズーリン様をな!」


すると、後ろから、鼠のような耳と尻尾を生やした女の子が出てきた。まるで橙のようだ。


「久しぶり霊夢。あの時はお世話になったね」


「まぁね・・・・。それより、ナズーリンに頼みごとがあるのよ」


「うん、探し物でしょ?私の仕事はそれぐらいだから、それより、お金は?」


やっぱり、タダではやってくれないんだなぁ・・・となんとなく考えていると、霊夢が僕を指差して


「この人間が払ってくれるわ」


と一言、僕の意見も聞かずに言い放った。


また、人の意見も聞かずに事が進んでいる。


「あれ、君、見ない顔」


はぁ・・・・・。もう、諦めた。


「新入りなんだよ」


僕を興味ぶかそうに眺める。


「人間の男なんて、珍しいわね・・・・。さ、何を探せばいい?」


懐から、東西南北が書かれた、棒のような物を取り出した。


もしかして、ロッド・ダウジングか?


「リュックよ。この男の」


「OK~。邪魔が入らなければ、すぐに見つかると思う」


L字形の棒を真っ直ぐにして、一歩一歩、歩き始めた。


「僕も行って来る」


そう言ってナズーリンを観察しながら、同じように歩き始めると、チルノもついてきた。


「なんか楽しそうだから、あたいも行くわ~」


こうして、三人のリュックサック探しが始まったのだ。


一歩ずつというのが、気を遠くさせる作業だが、あのリュックの中には、意外と便利なものが入っている。


必ず見つけてなければ・・・。


「そういえば、君、名前は?」


ナズーリンが集中をやめて、僕に話しかけてきた。


「あぁ、天田主っていうんだ」


僕が言うと、チルノが肩から顔を出して


「あたいの子分でもあるのよ」


と、笑顔で付け加えた。


・・・・改めて見ると、チルノと僕はいいとして、チルノとナズーリンというのは、奇妙な組み合わせだなぁ。


「よろしくね。魔理沙達が呼んでいた通り、私はナズーリン」


「あぁ、よろしく」


簡単な握手をした。


「人間はね、私が鼠だからって気味悪がるんだけど、君は違うんだね」


「・・・・まぁ、良い人そうだし・・・」


ナズーリンは少し笑って「そぉ」と短く相槌を打った。


end


第二章~♪