二階から一階へと降りると、すぐ前に、咲夜がいた。
「・・主、どうかしたか?」
ここで言って良いものか、迷ったものの、僕は思い切って言う事にした。
「地下へと続く扉を探しているところだ。フランとかいう奴のいるところ!」
咲夜は驚いたものの、次には少し笑って。
「お前が消えてから、色々あったんだ・・・」
記憶の欠片は細かく、一つもつないでいない為、咲夜の言っている事はあまり理解できなかったが、止める気はないようだ。
「止めないんだな」
「お前以外だったら、止めている」
そう言って、咲夜は、地下へ続く重たい扉を指差す。記憶で見たとおり、変わらずそこに扉があった。
「じゃあな、後、もっとメイドらしくしろ」
扉の前まで来ると、緊張が体を駆け巡った。
ここで、僕がどうなって、僕が何をしたのか。
レミリアが幼い僕を殺そうとして、今、ここに僕がいる。
それは、何を示しているのか。
初めて、自分から回想を見たいと思った。
「おい、主。これが鍵だ」
二階から、僕のところまで咲夜が鍵を投げてくれた。
「グッジョブだ、咲夜」
鍵を差し込み、回す。
この重たい扉は、それだけでは開かず、かなりの力がいるはずだ。
太くて、重たい扉を、細い手二本でこじ開けようとする。
重い・・・・見た目どおり、かなり重かったが、誰にも助けを求めなかった。
これだけは、自分でやりたい。。。!そう思ったからだ。
門の前でうずいた記憶。
その理由がここにあると、思ったからだ.。
―――――――――――――――――――――回想
end