朝食を食べ終えて、僕と霊夢は紅魔館へと出向く準備をした。


チルノはルーミアに事情聴取をしてくるらしく、今回は共に行動できないのが、少し残念だ。


「準備って言っても・・・何するんだ?」


ガタガタと、何かしら詰め込んでいる霊夢。僕には何をしているかわからない。


「んー、別に私は安全なんだけど、主が危なそうだから、万が一の為に札を何枚か持って行くのよ」


「札か・・・。妖怪とかを封じたりする奴か?」


「そそ、もともとは、神と仏の類を守るものだったのよ、それを利用して、妖怪を封じるの」


へぇ・・・。さすが神社の巫女だなぁ。


「神と仏を守る程、強い霊力がこの札には込められているのよ。私達人間に被害はないけれど、邪悪なものにとっては、大きな峠となるでしょうね」


一つ、神社に居候する身として、勉強になったのかもしれない。


「そして、札を自由自在に扱うのは、この神社の巫女である、私、霊夢なのよ!」


おぉ・・・輝いているように見える。吸血鬼姉妹なんて怖くないかもしれない・・・・。


「さぁー行くわよ」




・・・・・やはり理不尽だ。


「おっそいわよ」


霊夢は三秒程度で着いたのだが、僕はその何倍もかかっている。


「僕も・・・飛べたらなぁ・・・」


館の前まで来ると、すぐに中国女が出迎えてくれた。


「あ、咲夜様に、通すように言われてますから、どうぞ~・・・て、あれ、霊夢さんも一緒ですか」


「こいつはメイリンよ。この館の庭師」


メイリン・・・・?服装に良く似合う名前ではあるが、こいつ人間だよな?


まぁいいや。


館の門を開くと、美しい庭が続いていた。きちんと剪定された、数少ない植木。冬だから、あまり葉のついている植物が少ない。


でかい扉の前まで来ると、触れずに、勝手に扉が開いた。


「お待ちしておりました。主様、こちらへどうぞ・・・・・霊夢さん?」


「私は付き添いよ」


「そうですか、では、ご一緒に」


・・・神社の時よりは、口調がずっと丁寧だが。こういうメイドは、果たして良いのだろうか?


「レミリアお嬢様は、こちらです」


と、メイリンを置いてゆき、二階のベランダへと案内された。


「レミリアお嬢様」と言うから、大人をイメージしていたのに、背が小さいお嬢さんが、イスに腰掛けて尊大に紅茶をすすっていた。


「あら、やっと来たのね」


・・・・・やっと?  さっき言われたばかりだけどなぁ。


「立ってないで、主と霊夢も座ってよ」


と、反対側の席二つを座るように勧める。


end