「絶対見つけてやるんだから!」
と、霊夢はお金欲しさにいきこんでいた。
ふと、視線を先程指差した山へと向けると、こちらへ黒い何かが飛んでくる。
「ん?なぁ、あれ」
二人の顔を見ながら、黒い何かを示す。
「あ~、多分、文じゃないか」
あや・・・?
「射命丸文、あの山に住んでいる新聞記者であり、天狗よ。結構、高い能力の持ち主よ」
幻想郷には新聞記者がいるのか、現実と似ているが、発展に乏しいこの世界とは、似合わないなぁ・・。
「こっちに向かってきてないか?」
その瞬間、三人が気付く。
「主じゃないか?」 「私もそう思った」 「僕も・・」
突然現れた、外の世界の人間!
確実に記事になるだろうから、飛んでくるはずだ。
なんかめんどくさいことになりそうだなぁ・・・。
しばし、文とかいう人が来るのを、三人でお茶を飲みながら待っていた。
「とーうちゃーく!」
爽快な着地を決めて、射命丸文という人物が現れた。チルノの氷の刃とは違い、背中から、鴉のような黒い翼が生えている。
「あっ、霊夢と魔理沙じゃないですか」
「おう」「こんにちは」
天狗といわれて、そして飛んでいるのに、あまり動揺しない自分がなんだか悔しく思えた。
今頃、そんなことをポツリと心の中で呟く。
「そして、その隣にいるのは、天田主さんですね・・!」
え、なんで僕の名前を・・?と言いたいところなんだけど、記者であるのなら、そういう情報収集もしているのだろう。
「あぁ、そうだけど・・・」
「いやー、昨日、夜遅く、見ていましたよ。まさか、あなたが空から降ってくるから、びっくりしました!」
なんと、見られていたとは・・・・。
あれは人生の中で、一番死に間際だっただろう。
「外から来たとは知っていたけど、まさか空からとはな」
魔理沙が少し笑う。
「全部紫のせいだ」
まったく、文句の一つぐらい言わせてくれ。
「えーと、久しぶりですね、主さん」
「え・・・?」
どういうことだ?
「その様子だと、覚えていないんですねぇ。 大丈夫です!私は記憶に留めております!」
と挙手の敬礼をした。
僕の記憶は、何か思い出すキーワードがなきゃだめだから、思い出せないんだな・・・。
「いつか思い出すさ」
「そうですね。それはさておき、主さんから許可を頂きたいのですが!あなたの記事を作ってもいいでしょうか?」
目を閉じて、軽く礼をした。
「え・・えぇ・・・。なぁ、霊夢、魔理沙、どう思う?」
長く住んでそうな二人の意見を聞いてみることにする。
「んー、私は控えた方がいいと思うな。うかつに個人の情報を流されると、ろくなことにならないわよ」
「そうだな。外の世界の住人だから、能力もないし、妖怪に襲われることが多くなりそうだな」
確かに、言われてみればそうだな。予想の範囲を越えていた。
霊夢も魔理沙も、チルノと同じように良く扱ってくれる。なんだか、嬉しく思えた。
「じゃ、そういうことで・・・ごめんな」
文は軽く頷き、僕の手元に新聞を置いた。
「私、射命丸文が執筆している新聞です。どうぞ、目を通して下さい!それでは、さらばです!」
そう言って、疾風のごとく去っていってしまった。
文も、魔理沙と同じく、仲良くなれそうな雰囲気があった。
end
んー、真実はいつも一つ!
複数の出来事が、一つの真実を導き出す。それまで、しばしご辛抱を・・!
そして、この話がネタバレしてしまったんだよね・・あうち