疑問が何個も浮かんだのだ。


記憶を頭の中に戻し終えてから、フランがいるはずの牢屋まで、もう少しだというのに、僕は膝から崩れてしまった。



―――僕は、昔・・・・幻想郷に住んでいた・・・・。そう思わせる言動が多く存在していた。


藍とレミリア 13年前と15年前 二年の差。この間に、僕と両親達は、外の世界へ行ったのだ。


確かに、15年前、僕は現実の世界にいた。僕が四歳の頃、確かにいたんだ。


13年前、僕が六歳の時だ。現実世界で、公園の間に境界を見つけたんだ。


それは、僕が幻想郷にいたから、境界が見えたんだ・・・。


そして、紫の家で見た記憶は、僕が六歳の時の記憶。


チルノや、紅魔館での記憶は、僕が四歳の時の記憶。  違和感は・・・・これだったんだ・・・。


15年前に幻想郷から現実世界に移転し、13年前に、紫の境界に落ちたんだ・・。





覚えている・・・・・・・。現実の世界へ行き、現実世界の医者に言われたんだ。


毒が全身にまわっており、もう手遅れだと。もう少し、早くここに来ていれば・・・と。


僕の周りは、理不尽なことばかりだ。


精一杯、僕は、妹の病気の治す方法を探しまわって、なんとか見つけた情報。


そのわずかな情報で両親を説得するのに、時間がかかり、そのせいで・・・妹はもう・・・。


「くそっ・・・・!あんなに頑張ったのに・・・・結果がこれかよ・・!」


床に硬い拳を打ち付ける。


その責任を逃れるために・・・・両親は・・・自殺したんだ・・・!


「誰か・・・いるの・・・?お姉ちゃん?」


記憶の声が聞こえるように思えて、でもそれは、現実だ。


15年ぶりの再会、彼女は覚えているだろうか。僕のことを。


絶対忘れないと誓ったあの日、僕はすべてを忘れていたんだ。


こんな僕を・・・君は許してくれるだろうか。



牢屋の前で灯火を背中に受けながら、フランの赤い目が僕と合う。


「・・・・・天田・・・・主・・・・?」


咲夜は気を利かせて、フランの牢屋の鍵も同時に渡してくれた。



鍵を開けて、牢屋の中へ入ると、僕は涙を堪えず、泣いてしまった。


色々な出来事が、今背中に乗っかっているようで、もう、疲れてしまった。


「そうだよ・・・・・・・久しぶり・・・フラン」


あの時より、ずっとでかくなってしまった。


見上げていた自分。今は見下ろしている。




それが、なんだか悲しく思えた。


end