「まぁ、そういう世界ってことよ」


紫は、そう簡単にまとめたのだが、僕の脳内変換はひどいことになっている。


ゲームの世界に似ているなぁ。


「んで、主、一人だけなの?他の三人は?」


妹と、両親のことか・・・?


なんて言えばいいのだろうか・・・。


「・・・・・まぁ、自分の足で調べることにするわ。現実の世界から、突然、この世界に落とされたら、そりゃ混乱もするだろうしね・・・。あんまり問いただすのは、やめておくわ・・・。 ま、ゆっくりしててよ」


そのまま、紫は部屋から出て行ってしまった。



ん、てゆうか、なんで僕の家族を知っているんだ?






藍は、気を利かせて、お茶を入れてくれた。


「ありがとう、藍・・・そういえば、紫は?」


「多分、寝ました。冬ですし、冬眠の時期が近いんだと思います」


熊でもあるまいし、人間が冬眠だと・・?


「あのさ、藍は人間なのか?なんか、馬鹿みたいな質問だけど・・・。後紫や橙は?」


「人間ではないですよ。私達は、妖怪です」


サラッと、現実世界では常識を越えた発言。


頭に詰め込む知識が、一つ、また一つと増えていく。


「この世界は幻想郷って言うんです。人間や妖怪、妖精や、その他諸々が、この世界では生きているんですよ。だから、妖怪がいるなんて、あたりまえなんです」


そ、そーなのか・・・・。


信じられない話しではあるけど、今の状況を見れば、そうも言い切れないし。


「でも、幻想郷に人間は、一握りぐらいしかいないんですよ・・・。外見は人間ぽくても、妖怪だったりしますからね」


「へぇー。なるほど・・・」


その幻想郷に、僕は落ちて来たんだ。


現実の出来事を知らない、この幻想郷で、僕はもしかしたら、生きていけるかもしれない、心の片隅で、かすかにに感じていた。


「あ、紫様」


藍の一言に、すぐに我に返った。


「んー、幻想郷がまだよくわからないなら、探険でもしてきなさいよ。境界開くから」


なんだか、魂が抜けているように見える。


「え、いや、紫様!寝惚けているんじゃないんですか!?今、夜ですよ?人間がこの時間帯にうろついたら・・」


「いいのよ。主には色々とあるから」





そして、僕の意見を一言も聞かないまま、夜の幻想郷という世界に、空から落ちていったのだ。


「なんでぇぇ・・・・!!空からなんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


月に手を伸ばせば届くように思える。風が顔面を直撃して、あまり目を開けられず。


やっぱり寝惚けてたんだ・・・紫は・・・!


ていうか、、、、そんなこと考えてる場合じゃねぇ・・・・!


確実に死ぬぞ・・・僕!





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次回にご期待。


二話連続投稿乙w