「でも・・・前もこんなことが・・あったような・・」


やはり、きつねのような尻尾が、目をひく。


これはどうしたものか・・・?


「らーん、どうしたの?」


突然、後ろから、一人の女性が現れた。


「いえ、あの・・こんなところに、人間が」


帽子をかぶり、この狐と同じ、不思議な服装をしている。 


まるで、自分が異世界の人間のように思ってしまう。


「んー、・・・・んん!?・・・もしかして、あんた、天田主?」


女性は僕を見るなり、狐と同じ、驚いて固まっていた


「え?紫様、知っているんですか?」


どうやら、片方の女性が紫という名前らしいが、僕を知っている・・?


・・・・・・幼い頃、ここに来たことがあるとしたら・・・。


そうだとしたら、このまま向かえば、僕を知っている人物は、一人、また一人と増えていくのだろうか・・?


「覚えてないの藍?13年前、同じように、ここに一人の少年が来たでしょ?」


「あ・・・・」と声をもらし、改めて僕を見る。


「思い出しました。あの時の、少年ですね・・・。」


全身に視線をいきわたらせる



「ここに入ってきたってことは・・・・。この境界が見えるんですか・・・?天田君」


境界とは、あの空間の切れ目のことだろうか?


「えぇ・・・まぁ」


「・・・・、やっぱり、力は失っていないんですね。さすが・・・・天田・・・」


力・・・・?


「ま、こんなところで話してても、しょうがないわよ。とりあえず、上がってよ」


「え?あ・・・うん」






消えるのは、幼い記憶を取り戻してからでも、遅くはないと思い始めた。


僕がここで、何をして、どうなったのか、知らないまま死ぬなんて、やりきれない。


「多分、主は忘れているだろうから、自己紹介するね、私は八雲紫、こっちが八雲藍、私の式神、そしてこっちが藍の式神である、橙」


「久しぶりです」「よろしくね~」


式神の式神なんてあるのか? てゆうか、ここはどういう世界なんだ?


「式神って言われても、あまりピンとこないかな・・・。一体なんなんだ・・?」


「そっか、主は現実の世界で長い時間過ごしていたから・・・」


現実・・・? どこかに架空の世界でもあるんだろうか。


というより、目の前に、耳と尻尾生えた人物が計二名いるのだが。



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進みがダイブにぶいので、三話、投稿しますねw